GIFT-06 新宿駅で某ポスターを見る2人の会話/蛟游茗様より



超〜珍しくギフト連投です。

(ギフト本文よりも、前後の解説が長いっ!)



今更かもしれませんが、
ワタクシは日本で一番人口が少ない県に
住んでいます。
もうすぐ県民18年目。
人口1万人くらいの田舎町での暮らしです。
町全体が環境省に指定されちゃうような里山的環境で
中途半端な田舎生活を送っております。
(ああ、関東時代が懐かしい…)


実は、一部の方には
SNSで
ちょろっと宣伝をさせて頂いていたのですが、
役場からのお声かけを断わりきれず、
地方ならではの、
移住定住促進のリーフレットと動画作りに
ちょろっと関わっておりました。


すると、なんとっ。
顔丸出し&見苦しいフィールドスタイル全身入りで、
B1サイズのでかいポスターになって、
今年の2/6~2/19の間、
新宿駅に晒されてしまったのですわぁぁぁ〜 (> <) 。
(他、関東&関西圏の各駅に出てたらしい…)


いやいやいやいや、
巨大ポスター作るなんて
全然聞いてなかったしっっっ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)!



晒された友人2人と
もうビックリしまくりましたが、
今更
ワタワタしてもしょうがないということで、
色々諦めました…。


で、
その告知記事ブログを見て下さった
蛟さまが
移住定住PRポスターを新宿で見つける
撩と香のプチ会話を作って下さいましたー。


どんなポスターだったのか
気になる方は、お問い合わせ頂ければ、
関連サイトのアドレスをお知らせします。
(かなり恥ずかしいですが…)


【注意】
もちろん自力で探して頂いてもオッケーですが、
「きまりも」名とポスターの情報を
包括してネット発信されるのはお控え下さいませー。
オモテHNは可。


では、
新宿駅構内を歩く2人が
ふと壁面のB1ポスター3種類に気がつく場面から
どうぞー。
(当方はその3種類のうちの1枚)




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香「田舎暮らしかぁ……そういうのも悪くないかなぁ」

撩「何言ってんだよ、なんも無い田舎の何が楽しいんだか」

香「あら、何も無いわけじゃないんじゃないの?
  自然は豊かだし、夜になれば
  ここじゃ見られないような満天の星空よ、きっと」

撩「でもさ、おまぁみたいな都会育ちにゃ
  無理なんじゃねぇの?」

香「あら、そんなの行ってみなきゃ判んないじゃない」

撩「自然が豊かってことは、ヘビとかクモとかムカデとかも
  豊かだってことだぜ」

香「そ、それは……そこまで嫌いってわけじゃないけど……」

撩「それに、気分転換にお茶とかウィンドウショッピングしようにも
  そう簡単に行ける距離じゃねぇんじゃねぇの」

香「う、うぅ……でも撩だったらさぞかし
  そういうところでも平気なんでしょうねっ」

撩(一瞬、表情が曇る)
 「——俺だって嫌だね、そんなバーもキャバクラも無いとこなんか」

香(ふっと表情が緩む)
 「そうよね。あーあ、田舎暮らしは夢のまた夢か」

撩「(小声で)まぁ、おまぁが傍にいてくれるんだったら
  どこだってかまわねぇんだがな」

香「えっ?」

撩「——なんでもねぇよ///」


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で、

「あー、腹減った。さっさと帰ろうぜー。」「うん。」

とか言いながら、

駅を出ちゃうんでしょうねー。



新宿以外の場所に住むことを

ちらっと考えた2人も

色々奥深いもんです。




という訳で、

蛟さんのサイト、14周年記念として

この日にアップさせて頂きましたー。

蛟さん、おめでとうございます!&

2作品のギフト、

ありがとうございましたーーーーっ!





以上、

蛟さんからのGIFTその2でした〜。




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他の方のお部屋にもろくすっぽ行けず、

連載以外のことにもなかなか手を出せずで、

んと久しぶりに

他のカテゴリーをいじって

エラい新鮮でした〜。

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【追記!】
GIFT-05「ヤらずの雨」で、
せっかく送って頂いておりました
蛟さまの直々のコメントを
掲載させて頂くのをすっかり忘却しておりましたっ。
先ほど挿入致しましたー。
蛟様、重ねてお詫び申し上げますっっっ。
m(_ _;)m
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もくじ
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GIFT-05 「ヤらずの雨」/蛟游茗様より



超お久しぶりの「頂き物コーナー」更新でございます。



形としましては、
相互リンク記念として
こちらのリクエストを蛟さんに文章化して頂きました〜。
昨年頂戴しておりましたのに、
こちらがかぁーなりモタモタしてしまい、
今に至りましたことを
蛟様にも読者の皆様にもお詫び申し上げます。



原作第92話「ある夜のマチガイ」の
連れ込まれた撩視点です。



ただし、
過去も未来も
撩と冴子が合体してないこと前提でのお話が
苦手な方はご遠慮下さいませー。
(このあたりはお好みがあると思いますので)


完全版第10巻/JC11巻をお手に取って
原作前期の独特な雰囲気をベースに
蛟さんが紡がれる
あのワンシーンをお楽しみ頂ければと思います。




【追記!2017.05.23.】

わちゃー!
大事なテキストをここに入れることを
忘れておりましたっっっ(><)。
ご本人様からのコメ頂いておりますっっ。
是非一読されてから次へお進み下さいませー。



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はじめまして、へっぽこ邪道CH二次サイト
『Hard-Luck Cafe』店主・蛟 游茗(みづち・ゆうめい)と申します。
このたび、相互リンクの記念として差し出がましくも
きまりも様から頂いたリクエストを献上させていただきました。
お題は完全版10巻 第92話『ある夜のマチガイ』穴埋め
あの、撩が冴子に薬で眠らされて翌朝
気がついたら同じベッドに……の「翌朝」の前のオハナシ。
あ、個人的設定として撩と冴子は“浄い仲”です
でも、だからこそ一線を越えないこと大前提での
ギリギリスレスレの危ういゲームこそ
この二人の関係性の醍醐味だなと思っています。
男と女の間にあるものは、恋愛ばかりじゃありませんしね。
そんな空気感が醸し出ていればいいのですが……
それに、やっぱり撩には香、冴子には槇村ですから♪

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それではどうぞー。


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「ヤらずの雨」    蛟游茗様より




暗い部屋にゆっくりと目を慣らしていく——ああ、あいつも寝るときは灯りは全部切っておく方なんだな。遮光カーテンもきっちり引いて。
ああいう商売はよく寝ることも仕事の一つだろうから。それを教えたのもきっと奴なんだろうが——
真っ暗な中、光源はカーテンの隙間からかすかに漏れる街の灯りだけ。といっても新宿の街中などとは違って
ここは静かな方でせいぜい街灯程度だが、それでも俺の目には充分だ。
こうして見ればやっぱり女の部屋なんだなと思う。同年代の中では小ざっぱりとし過ぎて、可愛らしさの欠片も無いかもしれないが
それでもどこかに甘やかさが漂うのは殺風景な俺の部屋とは大違いだ、前よりは多少片づいたものの。
凝ったデザインの照明、観葉植物、持ち主の趣味の良さが窺える額装された絵、そして——
これらの主は何の因果か、俺の腕の中に納まっていた、同じベッドで。

するりと女の柔肌が、俺とシーツの間に滑り込んでくる感触で目が覚めた。鼻腔をくすぐるほのかなオピウムの芳香。
狸寝入りのつもりだったが、いつの間にかうつらうつらとしてしまっていたようだ。冴羽撩ともあろうものが、何たる不覚。
だが、あれだけ飲んだのなら不可抗力の内だろう——酔った後特有のおぼろげな記憶を巻き戻していくと
伝言板に冴子からの依頼があって、スポーツジムに呼び出されて、その後は夜の街に繰り出して……
本当は俺があいつのことを飲み潰させるはずだったんだがなぁ。忘れてたぜ、3人で飲みに行ったときもあいつは顔色一つ変えなかったのを。
今夜のように、たとえ目の前に酒瓶やらグラスやらを豪勢に並べても。
だから『奥の手』を使う羽目になったんだが、まさかあいつも同じ魂胆だったとは——
僅かに溶け残ったざらりとした感触、それ以上に酒のものではない独特の苦み。
ただ生憎、この手のクスリは効きにくい身体になっちまったんだ、これ以上にもっとヤバいやつに毒されてしまったときから。それはあいつも知らないこと。
だが、おかげでいろいろと重宝はしている。敵さんに一服盛られたときも今みたいに嘘寝を決め込んで、頃合いを見計らって目が覚めた“振り”をすればいい——
にしても、まぁわざわざ、ずいぶんご苦労なこって。自分で言うのも何だが、このデカい図体をまずはタクシーに押し込み、そこから引きずり出して
今度はエレベーターからこのマンションの廊下を文字どおり引きずってこの部屋まで運んできたのだから。
できれば手伝ってやりたかったが、こればかりはそうもいかない。
その上、言い逃れができないように一枚残して身ぐるみ剥がされて、パイソンは……確か、ドレッサーの引き出しの中か。
もちろん大事な商売道具、薄目で確認済みだ。あとで“戦利品”と一緒に回収しておこうっと。
それでも『最後の一枚』は脱がさなかったのは武士の情けかはたまた恥じらいか、それとも——未だあいつの中に残る、槇村への想いゆえか。
けど冴子のやつ、よほど肚が据わっていると見える、同じく上は全部脱いじまって、おかげで柔らかな感触が素肌で味わい放題だが——
この上ない『据え膳』に思わずシーツがテントとなる。だが、それを美味しく頂くわけにはいかなかった。

え、酔い潰してお持ち帰りするつもりだったんじゃないかって? それはまぁ、ただのポーズってやつだ、俺と冴子の間だけで通じるような。
艶めかしい視線のやりとりも、際どい会話も、ある意味、子犬同士が甘噛みしながらじゃれ合っているようなもの。
決して本気で牙を立てるようなことはないとの暗黙の了解上でのゲーム。
今夜だって潰したうえで、部屋まで送り届けてやるだけだったのに——そうすれば
「あの状況で指一本触れてこないなんて、撩ってああ見えて意外とジェントルなのね」なーんて好感度急上昇、なんてな。
それが、何でこうなっちまったんだか……これがもし今夜酒場で知り合ったばかりの、名前も知らない女だったら有難く頂いたことだろう。
だが、ここまでプラトニックなままずぶずぶに古馴染みの女なんか抱けるかよ。
それは決して、前相棒にして亡き親友の愛した女というだけではなく、もし一歩を踏み出してしまったら
それまでの関係が音を立てて崩れかねない。今までどおりの「ただの友達」というのならなおさら——

その「ただの友達」を、あいつの方から一度だけ、突き崩してこようとしてきたことがあった。
ちょうど一年くらい前の頃か、槇村がこの世を去って数ヶ月後——途方もない哀しみというものは、むしろ時間差で押し寄せてくるともいう。
いつまで経っても癒えぬ心の傷は、それを抱え続けているだけで魂を擦り減らしてしまうものなのだから。
ホテルに呼び出されたと思ったら、泣き腫らした顔で飛びかかるように抱いてくれと迫られた。
いきなり俺の胸にしがみつかれて、ムードもへったくれもない状況で。
いくら俺が稀代の女好きでも、あんな顔されたら勃つものも勃たなくなるし、それに——はっきりと判っていた
冴子は俺が好きだからその身を任せるわけではないということは。
正直、誰でもよかったのだ。自分を滅茶苦茶にしてくれるなら、生きながらにして地獄に突き落としてくれるのなら。
今はまだ、奴と同じ地獄には行けないのだから。
そんな情けと憐れみを俺はあいつにかけてやれなかった、大事な親友の大事な女に、俺自身にとっても大切な友人に。
だから俺はその場を立ち去った。いっそ、平手打ちの一つもしてやればよかったかもしれない。
だがあいつはその後、そんな馬鹿な気を起こさなくなったようで、またバリバリと仕事に打ち込み始めた。
おかげで俺たちは今も浄い仲の友人同士だ、この瞬間も。
それで良かったのだ。だからこそ、こうして変わらずあいつの力になってやることができる。
まーたどうせあのときのように厄介ごとを抱え込んで、それで俺の力を借りようってつもりだろう。それもタダで。
だったら一杯喰わされてやるか、あいつの思惑どおりに。朝になったらわざとらしく驚いてやればいいだけのこと。

だが——脳裏に浮かんだのは、なぜか現相棒兼同居人の、奴の妹の顔。
いつまで経っても帰ってこないもんだから、きっと怒り狂ってんだろうなぁ、とちくりと胸が痛くなるのは
朝帰りの罪悪感か、それともあいつ以外の女をこうして腕に抱いている後ろめたさか……まさかな。

「——んん、まきむらぁ……」

雨に掻き消されそうなか細い声が胸元から聞こえた。あの女狐が発したとは思えないような、子猫のような甘えた声で。
きっとそれは今まで奴しか聞いたことがなかっただろう——夢の中で抱かれているんだろうか、槇村に。
代わりになってやれるならなってやりたいさ。
でも、あいつの心の中の穴は奴の形に開いてしまっているのだ。そこに俺という形をはめ込んだところで隙間が空くか
下手すりゃ大きすぎて穴が余計に広がっちまうだけ。
この胸板だって奴はこんなに分厚くなかったし、こんなに熱くもなかっただろう。
でも、それが良かったんだろう? これじゃ逞しすぎるんだろう?
——それでもいいなら朝まで貸しといてやるよ。もっこりは……貸してやりたいのは山々なんだが。

雨音は強まりこそすれ止む気配を見せない。
奴の最期の姿のように、この雨の中をずぶ濡れで帰らなければならない義理は無い。
ただ、降り止むまでの生殺しってのも正直辛いものがある。

——ヤらずの雨、か。

言っとくが撩、それは間違ってるぞと奴の声が聞こえたような気がした。


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という訳で、
今日、5月20日は
ファルコンの声優さん、玄田哲章さんのお誕生日。
69才おめでとうございます!


シテハン関係バースデーにムリクリ
合わせてのアップ〜。



いやー、
個人的には大満足の穴埋めでございましたっ。
あの一連の種馬氏の言葉や動きは
フェイクに違いないと
勝手に思い込んでいたのですが、
実にしっくりぴったりくる
心理描写に大拍手です。


蛟さん本当にありがとうございましたっ。


このシテハン二次ワールドを
15年近く続けていらっしゃる
老舗のお部屋にも是非お立ちより下さいませー。





ベースの長編も然りですが、
「CH'定点観測」も
読みやすくガッテンオンパレードです。
行き方は「About Me & My Site」のページから
「Site Map」の項目の中に「CH'定点観測」があります。
(しかもかなりたっぷり!)
コメント欄のあとがきもお見逃しなく〜。



で、こちらも随分昔に
冴子視点の同場面を雑に作って放置したまま…。
手を出すゆとりが出来ましたら
整えてSSにでも加えられればと思いますが、
11月以降になりそう…(><)。



で、で、で、実はっ。
もう1本蛟さんのお作アップを
予定しておりますので、
なんとか月末までに
間に合えばと思いますっ。
(SS対話式です)



改めてシテハンのご縁に感謝!




以上、
超お久しぶりの頂き物アップでしたー。





もくじ

10万ヒット企画その1

かなり出遅れてしまいましたが、
10万ヒット企画その1でございます。

(その2につきましては末尾で)


今年サイトを立ち上げられたホークアイシオン様より、
記念のイラストを頂戴致しました。
ギフトとして2点ご紹介したいと思います。




シオンさん RK01

ホークアイシオンさん RK-01
(2013.12.06.拝受)






ちょっとイチャラブ露出系は折り込みで〜。



→続きを読む

ひまわり76さま「RYO・KAORI」

8万ヒット記念企画です。

ワタクシが、生まれて初めて頂戴しましたCHのイラストを、
この度ご許可を頂きまして、
公開させて頂くことになりました。
2点お届け致します。

著作権は、作者の方にございますので、
お持ち帰り、無断使用等は厳禁ということで、
よろしくお願いします。


ひまわり76さんの撩イラストimage のコピー.jpeg

ひまわり76さま/RYO-01



ひまわり76さんの香ちゃんイラストimage のコピー.jpeg

ひまわり76さま/KAORI-01


当サイト初の画像アップでございます。
こ、これでいいのかな?

メールでこちらを頂いたときの感激を
お裾分けできればと思います。

ひまわり76さん、本当にありがとうございました!!!

ホント、描ける方が羨ましいぃ〜。


胡麻さま「還ってきた男」(3)

70000hit企画

お預かり作品「言ノ葉隠れ」胡麻様より


『還ってきた男』(3)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



リョウはアパートに戻った。

香はまだ帰っていないようだった。

「―――やれやれ」

リョウはどさりとソファに身を沈めた。

なんだかむしゃくしゃした気分だった。

いや、原因はもうわかっていた。



「―――そこにいるんだろ、槙村」



宙に言葉を投げかける。



『ああ』



返事がした。と思うと、さきほどのように辺りが薄暗くなった。

リョウの目の前に、槙村が立っていた。

「いったい、いつまで俺につきまとう気だ?」

リョウが不機嫌そうに尋ねる。

『―――もちろん、お前が香の前から消えるまでさ』

あいかわらず不敵に槙村はニヤリと笑う。

「ここは俺のアパートだ。何で俺が出てかなきゃならないんだ」

ムッとしてリョウは言い返した。  

『どうしてもか?』

「ああ、どーしてもだ!」

ケンカ腰でリョウは立ち上がり、

彼の目の前にぼんやり光ながら浮いている槙村としばしにらみ合った。

ピシッ、ピシッと空気が弾けるような音が辺りで起こる。

ラップ現象というやつだ。

そのうちソファやテーブルなどがガタガタと揺れ出した。



「な―――」



思わずリョウがひるむ。

その時、槙村がカッと目を見開いた。

ゴウッという音とともに、突風が起こり、

部屋中のものがその風に巻き込まれたように浮き上がる。

次の瞬間、それらがすべてリョウをめがけて襲いかかった。

「うわぁっ!」

とっさにソファやテーブルなどはよけたが、

置時計や電話などはよけきれず頭に当たった。

しかし次々家具が襲ってくるので痛がってるヒマはリョウにはなかった。

「ちょ、ちょっと待てよ!」

必死でリョウは叫んだ。

「卑怯だぞ、槙村! ちゃんと素手で闘えー!」

『あいにく素手どころか、体がないんだ』

槙村は完全にリョウをおちょくっていた。

空中に浮かんでニヤニヤ笑いながらも、攻撃の手をゆるめない。



リョウは横になったテーブルを盾に、

折れた椅子の脚を手に必死で飛んでくる物に応戦した。

しかしどうにも苦戦の色はかくせない。

「ちくしょー! 槙村、いい加減にしろっ!」

飛んできたサボテンの鉢を叩き落とし、とうとう堪忍袋の尾が切れて、リョウは怒鳴った。

「だいたいお前に俺のことが言えるのか?

―――俺よりお前の方がよっぽど女を不幸にしてるじゃねぇか!」

リョウの怒声に槙村は一瞬ぽかんとした。



『―――何の話だ、いったい……』



「わからないって言うのか?」

リョウはますます腹をたてる。

「だったら教えてやるよ、冴子のことだ! 

―――生きてる間だって香、香っていってろくに相手してやらなかったくせに、

死んで五年も一人ぼっちにして、

その上、この世に戻ってきてもあいかわらず妹の方を最優先にしやがって。

シスコンもいい加減にしやがれ。あいつは今だってお前のこと待ってるんだぞ!」

宙に静止していた家具類がふいに支える力を失い床に落ちた。

リョウは槙村をにらんだまま、疲労と怒りでゼイゼイと肩を揺らしている。



『―――――』



槙村は黙り込んでしまった。

「―――お前がこれから守らなきゃならないのは、

償わなければならないのは……香じゃないだろ、槙村」

精も根も尽き果てて、リョウは床に座りこんだ。

槙村は苦しげな表情を浮かべている。



『リョウ、俺は……』



彼は何かを言いかけたが、口ごもってしまった。

「ん―――?」

リョウは槙村をいぶかしげに見つめた。

しかしリョウの不審に答えるよりも早く、槙村の姿がふいにぼんやりとかすみはじめた。

「お、おい……」

最後の瞬間、申し訳なさそうな目線を投げ掛けながら、

槙村は消えてしまった。突然とり残されて、リョウは茫然とする。



その数秒後、玄関のドアが開いて香が現われた。

「ただいまー。……あらリョウ、帰ってたの?」

雨の中走ってきたのか、濡れた前髪のしずくを払いながら彼女はリビングに入ってきた。

「雨がひどいから今日はビラ配りはかんべんしてあげるわ、リョウ―――」

言いかけて香はゴクリと息を飲んだ。



「な、なによ、これ―――!」



部屋の有様を見て、一声上げると彼女は絶句してしまった。

窓ガラスにはひびが入り、ソファやテーブル、テレビはひっくり返り、

戸棚や本棚の中身は床にぶちまけられ、

鉢植えは粉々に砕け、カーペットはめくれ上がり

……これでは香でなくとも絶句せざるをえないだろう。



「いやぁ、香、これには訳が……」

とにかく香の気を落ち着かさせようと、リョウが猫撫で声で言い訳を試みる。

香はもちろん聞いていない。

「あ、あんたって男は……。

ひょっとしてこれは朝のケンカやさっきの言い争いに対する、あたしへの嫌がらせ……?」

眉をぴくぴくと逆立て、目を三角にして、低い声で香はリョウに問いかけた。

「ち、ちがう、ちがう」

リョウは真っ青になって頭をぷるぷると振った。

「俺じゃない。これをやったのは……槙村なんだ」

「兄貴がぁー? 何言ってんのよ、あんた」

香はますます腹を立てていく。

「ホ、ホントなんだってば。

槙村は霊界で修業を積んで守護霊になったんだ。

そしてお前に近づく奴を抹殺するためにこの世に戻ってきたんだよ。

お前だって、今朝夢に見たって言ってたじゃないか」

助かりたい一心でリョウは早口で言い立てた。

「何をバカな……。ウソはもっと上手に言ったら?」

香はまったく相手にしていない。

「ホントのホントなんだよー! おい、槙村! 頼むから出てきて証明してくれー!」

側にいるであろう槙村に向って呼び掛ける。

しかし槙村はウンともスンとも返事をしなかった。

「そんなことでごまかそうったって、ムダよ」

香はフンと鼻で笑う。

「さあ、お仕置きしましょうねぇ。ハンマーとすまきとどっちがいいかなー?」

「ぎぇー、そ、それだけは。あ、そうだ!」

リョウはポンと手を打った。

「ホントに槙村はここにいるんだ。今それを証明してやるよ、香」

「へぇー、どうやって?」

はなから信じていない香はバカにしきった調子で相づちを打った。

「見てろよ……」

リョウがふいに香の腕をつかみ引き寄せた。

「え……?」

ふいをつかれて、香はすっぽりとリョウの腕の中におさまってしまった。

(極度のシスコンの槙村のことだ。こうでもすりゃ、逆上して出てくるにきまってる)

我ながらうまい考えと、リョウはほくそ笑む。



「…………」



が、しかし。

十秒待っても、20秒待っても槙村は現われなかった。

「りょ、リョウ……」

香が腕の中でもぞもぞと動く。

突然抱き締められ、彼女は耳まで真っ赤になってしまっている。

「あ、あれ? おかしいな……」

あきらかに気まずい雰囲気に、リョウはすっかり動揺してしまった。

(ちょ、ちょっと刺激が弱すぎたか。よーし、こうなったら……)

「……香!」

耳元で名を呼ばれ、香はびっくりして顔を上げる。リョウはその顎に指をかけた。

(え……ええ―――!)

あきらかにキスの体勢だったので、香は驚きながらも反射的に目をつむった。

リョウは香に顔を近づけ、そのままの姿勢で数秒待った。

しかし、一向に槙村は現われる気配をみせなかった。

(お、おかしいな。ここまでやってるのに、なんであいつは出てこないんだ?)

リョウはますます動揺した。



「リョウ……?」



やがて待ちくたびれて香が目を開けた。

両耳を赤く染めて、何が何やらまったくわからない様子だったが、

彼女はうっとりとした信頼と愛情に満ちた目でリョウを見つめる。

ここへきて、リョウはやっと今の状況を理解した。

槙村がその姿を見せない以上、

香にすればリョウが急に自分に迫ってきたとしか思えないだろう。

引くに引けない体勢に、リョウは自ら墓穴を掘ったことを知った。



(槙村の奴、まさか本当はこうなることがねらいで…)



今にして思えば、リョウと香を引き離すことを目的としていたわりに、

槙村のやったことには奇妙な点が多かったような気がする。

槙村を動かしていたのは、決して一つだけの目的ではなく……。

しかしリョウにはそんなことを悠長に考えているヒマはなかった。

香が、彼の腕の中から一心に彼を見つめている。

こんな目をされたら、今のは間違いでしたとはもう言えない。

しかも、こんなふうに見つめられていると、

まずいことに、だんだん香が愛しく思えてきた。



(こうなったら、もう……)



とうとうリョウは観念した。

どうやら、兄妹二人ががりの甘い罠に完全にひっかかってしまったようだ……。






霧の中に、彼女は立っていた。

手を伸ばせば肘から先すら見えなくなりそうな濃い霧だけが辺りを支配している。

(また、あの夢だわ)

彼女はうんざりとした。

もういったい何度こんな霧の中にいる夢を見たことだろう。

仕事がつまったときや、雨の日はきまってこの夢を見る。

行くことも退くこともかなわぬ霧の中で、彼女は途方にくれて立ちつくす。

ひどく気だるくて、胸苦しい思いが胸の中にもたちこめてきて、

彼女はますます途方にくれた。



(―――いったい、どうしたの? どうなってしまうの、私……)



彼女は漠然と自問したが、こんなふうに迷ったり、

途方にくれることに彼女は慣れていなかったのだ。

彼女は目をこらし、霧を見つめた。

誰かに来てほしかった。

その人さえ来てくれれば、こんな霧など消えてしまうはずだと彼女は思っていた。

彼女は待った。

待つことがこんな不安なことだと知らなかった。

ふと、何かの気配を感じて、彼女は背後を振り返った。

誰かが、霧を押し分けるようにして、ゆっくりと彼女に近づいてくる。



「あ……」



彼女は小さな声をあげた。

その人物が誰なのか、彼女にはすぐわかった。



『待たせたな―――冴子』



それは槙村だった。

彼はにっこりと彼女に笑いかけた。

彼女――冴子は言葉を失ったように彼を見つめた。

やがてその顔が、泣きだす寸前の子供のそれのようにゆがむ。



「待ってたのよ、……私、ずっと待ってた……」



かすれた声で彼女は言い、心の声がそれを繰り返した。

(そうよ……。私がずっと待ってたのは、この人だったんだわ)

『―――すまん』

槙村は本当にすまなさそうだった。

『すぐ来るつもりだったんだが、ちょっと寄り道をしてたら、すっかり遅くなってしまった』

そう言って、ボリボリと頭をかく。

「寄り道って、どーせ香さんのところなんでしょ?」

女の勘で冴子はピタリと当てた。

「あなたはいつだって、私のことなんて後回しなのよ」

すねたようにそっぽを向く。しかし一方では、

(―――あらあら、私にこんなかわいいところがあったなんて)

と、内心自分の態度にびっくりしていた。

『悪かった、本当に』

槙村は手を合わせながら謝った。

それを見て冴子は機嫌を直した。

「もういいわ。―――でも、これからは私のことも考えてくれなきゃいやよ」

『わかってるよ』

「もうどこへも行かない?」

『ああ』

「これからは、ずっと一緒ね?」

『ああ』

槙村はほほえんで、冴子をそっと抱き寄せた。

『―――これからは、ずっと一緒だ……』

冴子はにっこりと笑った。
 
不安も憂欝ももう彼女の中から消えていた。

あんなに深かった霧が、二人のまわりからいつのまにか消えていったように―――。






カラン、カラン……

「いらっしゃいま……あら、冴子さんじゃない」

カウンターの中から美樹が、ドアベルを鳴らしながら入ってきた冴子に笑いかけた。

翌朝、ここはもちろん美樹の店『CATS・AYE』である。

「珍しいわね、こんな時間に」

「ええ、ちょっとコーヒーが飲みたくなったの」

冴子はにこやかに言って、カウンターの席に着いた。

「どうしたの? なんだか機嫌よさそうね」

戸棚からカップを取り出しながら、美樹は冴子の表情をしげしげと観察した。

「そうかしら」

冴子は照れたように微笑む。

美樹の言った通り、冴子はゆったりとして、ひどく満ち足りた表情をしていた。

今日の彼女からは、いつものりりしいけれど、

人を寄せつけようとしないあの磨ぎすまされた印象が消えている。

代わりに満たされた優しい雰囲気が漂い、

それがもともと人並みはずれた美貌にやわらかな輪郭を与えているようだった。



「何かいいことでもあったの?」

美樹が意味ありげに尋ねる。

「そうね、あったような、ないような……」

あいまいに冴子が答える。

「あら、秘密なの?」

「ううん、そうじゃなくて……なんだかすごくいい夢を見たらしいんだけど、

目が覚めたらどんな夢だったのか憶えてなかったの」

冴子は肩をすくめ、けれどやっぱり幸せそうに微笑んだ。

「ふーん。まぁ、そんなこともあるかもしれないわね。

……それにしても、冴子さんをこんなふうに幸せそうに、

チャーミングにしてしまう夢ってどんな夢なのかしらね」

美樹は不思議そうにため息をつき、そして何やら目で笑いながら、

「みんな、どうしちゃったのかしらねー。春でもないのに」

「みんなって?」

冴子がきょとんとする。

「あれよ、あれ」

美樹がちょいちょいと後ろを指差した。

冴子が振り返ると、隅のテーブル席にリョウと香が向い合って座っていた。

「ほら、リョウ。アーンして」

「バ、バカ。いいよ、自分で食うから」

「遠慮しなくていいのにィ」

モーニングセットのサンドイッチを前に、

リョウの世話をやく香と、テレて真っ赤になっているリョウの姿がそこにあった。

リョウは困りきっているが、香は冴子以上に幸せそうで、満面に笑みを浮かべている。



「ど、どうしたの、あれ」

見慣れない光景に、冴子は目をパチクリさせた。

「さあ? なんだか急に仲良くなっちゃったみたいよ、あの二人」

美樹がクスクスと笑う。

「はー、とうとうリョウも年貢の納め時ってわけね」

あてられたように冴子はしみじみと言った。

「これでうちも物を壊されなくなるから助かるわ」

美樹は心からホッとしてるようだった。

「美樹さーん! コーヒーまだぁ?」

香が元気に手を上げた。

「はいはい、今持っていくわ」

美樹は並べたカップにあわててコーヒーを注ぐと、

そのうち二つをリョウたちのところに運んだ。

そして二人の邪魔をしないようにとっととカウンターに戻ってきた。

「あら」

戻ってきた美樹が小さく声を上げた。

「―――どうしたの?」

冴子がカウンターの中をのぞきこむ。

「いえ、あの……」

美樹は当惑したように顔を上げた。

「今、冴羽さんと香さんと冴子さんの、三人分のコーヒーを入れたつもりだったんだけど

……いつのまにかカップが四つになってたの。

変ね、うっかりして一つ多めに出しちゃったのかしら」

手元に残った二人分のカップに美樹は首をひねった。

冴子はしばらく茫然としていたが、

ふと無意識のうちに自分の隣の誰も座っていない席に目をやった。

やがて彼女はくすっと不思議な微笑を浮かべた。



「たまにはそういうこともあるわよ。

……ねえ、よかったらそのコーヒー、二つとも私にくれない?」

「え? 冴子さん、二杯も飲むの?」

美樹がびっくりして聞き返す。

後ろの席のリョウもこのやりとりに気が付いて首をのばしてこちらを見ている。

「飲まないけど……その、隣に置いておきたいのよ」

自分でも奇妙だと思うこの申し出に、冴子は笑ってごまかした。

美樹はますます首をひねったが、

「まぁ、冴子さんがそう言うなら……」

一つを冴子の前に、そしてもう一つのコーヒーをその隣の無人の席に置く。



「ありがとう」

冴子が礼を言った。

「こら、リョウ、どこ見てんの」

「いてっ」

じっと冴子の奇妙な言動を不思議な眼差しで見ていたリョウの顔を、

香が無理矢理つかんで自分の方に戻す。

ちらりとその様子を見て、それから冴子は再び隣の席に視線を落とす。

飲み手のいないコーヒーカップから湯気のたちのぼるのを眺めながら、

まるでそこに恋人でも座っているかのように、

彼女は至福の思いに目を細めるのだった―――。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
END


1993年7月執筆作品
胡麻様より拝受





省略されたあの時間、
これまた妄想ネタにつながりそうです。

プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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