29-28 Accounting

第29部 Calm Day?

奥多摩湖畔から15日目



(28) Accounting *************************************************************** 2156文字くらい



「で、この合計が…と。」



留守番中の香は、

クリーム色のセパレートパジャマ姿で

オレンジ色のカーディガンを羽織り、

キッチンで電卓をパチパチと打っていた。

テーブルの上には、昨日の買い物のレシートに、

手帳、家計簿、裏帳簿が卓上に並べられている。




撩が出て行った後の香は、せわしない主婦タイム。

食器を片付け、明日の朝食の下ごしらえ、米研ぎ、

燃えるゴミの収集と梱包、

トイレのタオルや台拭きを回収し洗い物に回し、

ボックスティッシュやトイレットペーパーの補充と、

こまごまとしたハウスマネージメントをしていたら、

あっという間に9時のニュースは終わりかけ。



その後、訓練の一つとして課せられている縄跳びタイムも

少し欲張って3セット、

ついでにと筋肉痛も少し和らいできたので、

柔軟体操で心地よく汗をかいてしまった。

ふぅと一息ついて、ゆっくりと入浴。

ナイティーに着替えて歯を磨き

肌にいつも通り必要最低限の保湿を施し、

髪の毛を乾かしたところで、

そう言えばと、家事のし忘れを思い出す。

体が冷えないように一枚羽織って、

白木のテーブルで帳簿をつけ始めたのは、

日付けが変わる少し前。



「えーと、これって何を買ったんだったっけ?」



自分の手帳に “ 100×2 ” と走り書きがある。

2日前の記録。

「あ!そうだった!」

日光に行く時に立ち寄ったサービスエリアで

自販機を利用した時のメモ。

食料品の項目に200円を追記する。

レシートの記録が残りにくい自販機利用は、

記憶よりも記録が頼り。

それでなくても、

法に触れるものを買わなければならない冴羽家は

取引が痕に残る購買方法をすることが殆どないので、

殆どが口頭情報での確認。

オモテに出せない裏帳簿も、

一体どこまで撩の言ったことが本当なのやらと、

香は頬杖をついてふうと一息吐き出した。



「あとは…っと、美樹さんのところの撩のツケ…、ん?」



香は、顎に指を添えて目だけが上に向いた。

「そういえば、海坊主さん、ツケの分は引いてあるって言ってなかったっけ?」

山の訓練の前日、

鍵を受け取った撩はそのまま準備に出かけ、

香はファルコンと一緒に教授宅からアパートに戻って来た。

その道中の車内で言われたことを思い出す。

撩のツケとその他物損の請求を差し引いた額が777万円。



「ということは、この支払いのページは全部返済ってこと?

ラッキー!よかったぁー!」

キャッツに関するページの行を指で確認しながら、

完済のチェックを入れていく。

「ん?でも、待って?

これ撩がツケ増やしたり、あたしを怒らせるようなことしなきゃ、

引かれることはなかったってことよね。」

指が止まった。

「う…、ラッキーじゃない、かも。」

結局は同じじゃないかと、

単純に舞い上がった自分にため息をつく。

「ま、いっか。支払いする手間が一つはぶけたってことで。」

「おまぁ、なぁーにブツブツヒトリゴト言ってんの?」

「わわっ!び、びっくりした!」

びくっと腕が動いたとたんに、

脇に置いてあった電卓が床に落ちてしまう。

コンッバタタタッと、

角から接地した板状の金属の物体が跳ねた音と、

香の驚きの声が重なった。




閉めていたはずのダイニングキッチンの扉は開き、

戸枠に寄りかかってこっちを見ている撩。

ひとしきり複数箇所を回って戻って来た。

「お、おかえり!は、早かったわね、まだ12時前よ?」

いつもなら、夜出回った撩が帰宅するのは、

2時、3時、4時、5時、明け方とふざけた時間帯が定番のはず。

「夜、訓練するっつーただろ?」

「へ?」

両手をジャケットのポケットに突っ込んだまま、

にやっとしながら、

香が昼のやりとりをすっかり忘れていることを確認する。

「え?あれ?すぐ寝れる準備してろって言ってなかったっけ?」

出かける前に撩が言い残した文言だけ思い出す香。

「見事に忘れてんな。まぁ問題なし。

ボクちゃん風呂入ってくっから、それまでにそいつを片付けとけよ〜。」

ふふんとご機嫌に鼻歌まじりで浴室に向かった撩。

唐突の帰宅にまだ展開が掴めない香。



「く、訓練?」



ハッキリ言って自分はもう入浴も済ませ、パジャマに着替え歯も磨き、

この帳簿を区切りのいいところで作業を終わらせれば

指示通り “ すぐに寝られる状態 ” にある。

しかし、これから訓練とか言っている話しは一体なんなのかと、

昼間何を言われたか記憶をたぐろうとするも、

かすみとの目隠しゲームの前のやりとりが思い出せない。



「ワケわかんない。」



寝る準備しろ、訓練するぞ、と相反する指示を同時に受け、

相方が何を考えての台詞なのか全く理解ができない。

電卓を拾い上げ、壊れていないか液晶をチェックする。

「よかった、割れてなくて。」

ピピ、ピ、ピピピと手早く必要な項目の合計金額を計算すれば、

きゅっとボールペンで数字を書き込んで、

一応作業が一段落。

「よし、終わった。」

手帳と帳簿と電卓をきれいに重ねてテーブルの端に置くと、

んーっと背伸びをしながら香は立ち上がった。

0時からのニュースでも少し見てから寝ようかなと、

まずはシンクに立って、桶にたまっていた水を流し、

軽くすすいで縦置きにする。



「もう水がずいぶん冷たいわ…。」



そう言いながら、

かけている手ふきで

自分の指先の水気を拭っていたところで、

いきなり視界が真っ暗になってしまった。


******************************************
(29)につづく。





停電はありませんので〜。
23-06で、
車内でツケ完済の話しをするファルコンの台詞が出てきます。
自販機100円時代は、
この頃がギリギリ?


ーーーーー時事連絡ーーーーー
リンクノート追記につきまして
現在4件様の情報を頂いておりますが、
なかなか集中してご挨拶と作業に集中できず、
バナー貼り付けも滞ったままになっております(><)。
今暫くお待ち頂ければと思います。


ーーーー時事生き物ネターーーー
地元でエゴノキの花がもう場所によっては
終わりかけ。
咲き始めも、ピークも、散りかけも、
一通り香りを嗅いでみましたが、
やっぱり、かなり近付かないと
この花の匂いは感じないのよ…。
風に漂ってというのは、どうも納得いかんわ〜。
もうAHにあんな使われ方しちゃったもんだから、
お陰で、エゴノキの印象が
ネガティブになモノになっちゃったわよさ。
誰か塗り替えてくれー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

わー、今回は4ヶ所修正!
ご連絡ありがとうございましたっ!
もう赤ペン先生方のお力がないと、
やっていけませんわ〜。
[2014.05.26.23:32]

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29-27 Oyassan

第29部 Calm Day?

奥多摩湖畔から15日目



(27)Oyassan ***************************************************************** 4217文字くらい




「まぁ…、まだ仕方ない、よなぁ〜。」



1階駐車場まで降りてきた撩は、

片手をジャケットのポケットに突っ込み、

キーを人差し指にひっかけ、くるくるとまわしながら

クーパーに近付いた。



察するに、

自分の女の部分をまだ認めたくないのだろう。

そう考えれば、一線を越えてからの2週間、

端々で見られる香のぎこちなく不自然な言動に納得がいく。

もっと触れたい、甘えたい、

そんな思いを必死に隠そうとしている様が丸見えなのに、

これまでの習慣通りに、律儀にハンマーも出してくる。




「何を言いたかったのかしらねぇ〜。」




お姉言葉でニヤつきながらつぶやいてみる。

なんとなく想像はつくものの、

帰宅後に香がどんな話しを持ち出してくるのやら、と

くすりと笑いながらキーをドアのカギ穴に差した。

「ん?」

違和感を覚えた撩の手先が止まる。

視界の端に引っかかりを感じ左手側に振り向くと、

リアウィンドウのガラスに何かが見えた。

「なんだ?」

運転席側からリアハッチに歩み寄ると、

大胆な筆さばきで残されたコーラルレッドのメッセージが目に入る。

「へ?」

明らかにルージュで書かれた短い一文。




『  お幸せに! 』




しばし、その文字と見つめ合う。

ふっと軽く鼻息を流せば、

目が細まり唇の一片がわずかに上向いた。

「………かすみちゃん、か。」

残酷なことをさせてしまった自覚はある。

ただ、それが双方のためというもの互いに認知済み。

それでも、この心地よさを感じさせる痕跡を

こんな形で見せる気丈さは

由緒ある血筋家筋で育った賜物か。

きっと閾値が狭く理解が浅いオンナであったら、

ここに残された言葉は、

もっと罵倒とイヤミを絡めた不快なものになっていただろう。

うっすらとかすみの声が脳内で再生される。



—  幸せにならないと、許しませんからねっ! —



レオタード姿の怪盗305号が、撩のイメージの中で

振り向きながら手を振ってフェードアウト。

「まぁーったく、こんなところに、落書きなんぞ…。」

憎まれ口の口調と穏やかな表情は合致していない。

駐車場の端に投げてあった雑巾を探せば、

ぐいっとアーチ状に手の平を動かした。

5文字の日本語はきれいに拭い取られ、

イレイサー代わりの布に赤の色が移動する。

香に見せてやってもよかったが、また激しく照れ困惑するだろうし、

これから運転する愛車に、これを背負わせたまま出発するのは、

気付かなかったフリをするのもやや困難。

とりあえずは、

自分がメッセージを受け取ったことが分かればいいかと、

拭き終わった雑巾をまた元のところに投げ置いた。



「行くか…。」



仕切り直して、運転席にどさっと座る。

エンジンをかけアクセルを踏めば景気よく回転数が上がり、

聞き慣れた音が駐車場に響く。

すでに開いているシャッターをくぐり、

英国の看板を背負った大衆車は

滑るように冴羽アパートから出て行った。



目指す場所は、新宿の端。

徒歩ではやや面倒な距離、

今日はさっさとすませて早く戻りたいと、

帰宅目標時間を勝手に設定する。



自分も多少浮かれているのか、

アレからまともなパトロールはこれで2回目。

夜な夜な香から逃げるように徘徊していた頃に比べると、

新宿界隈の出歩きは明らかに激減。



「だぁ〜ってぇ、ボクちゃん、よく耐えてたと思うしぃ〜。」



ハンドルの頂点を両手で握り込めば、

そこに顎を乗せて顔の筋肉を緩ませる。

正直、これまでの反動も含め、

今は外に出るより香とぴったりくっついて過ごしたい欲求の方が遥かに大きく、

この離れている時間がもどかしくてしょうがない。



しかし、こんな生き方を選んだ以上、

周辺の状況収集なり、

顔が繋がっている界隈のネットワーク維持なり、

重要な異変を常にキャッチできる情報網は

絶えず鮮度を保たなければならない。

それが、もちろん香の命を守るためにも繋がるのは、

言うまでもない。



ただ、奥多摩以降、

やっと終わらせることができた曖昧な関係と、

新たにスタートした、まるで新婚夫婦状態の現状を思えば、

とにかく必要最低限の巡回で用件をすませたいと

頭の中は、すでに帰宅後の妄想で埋め尽くされる。



「へへ…、今晩はどぉーしよっかなぁー♡」



思い描くだけで、ヘソ周りに熱がじわりと溜まり、

息子が立ち上がりそうなった。

「い、いかん、いかん。」

これから出向く先は、やや真面目な相手。

自慢のブツをおっ立てたまま会える業者ではない。

「おっと、ここだった。」

あやうく最初の目的地を通り過ぎてしまいそうになり、

慌てて車を路肩に寄せる。



某路線の駅裏から住宅地に続くやや暗い道の一角。

どう見ても、ただの民家。

装いは洋風の2階建てではあるが、表札も看板もなにもない。

撩はさも自宅に入るかのように、

呼び鈴も押さずに木製のドアを開けた。



「おやっさん、お邪魔するよん。」



外観との落差は、おやっさんと呼ばれた女性にも当てはまり、

建家の中は、家ではなく店になっていることにも当てはまり、

お酒を出すバーには見えるが、

明るい店内はダイニングカフェのような雰囲気の空間。

他に客はなし。

撩は、カウンター席に遠慮なく腰を下ろした。



「もう、おやっさんはやめてよね。」

和服の美人ママは小さく怒りながらも、撩におしぼりを差し出す。

髪を結い上げ丸見えになっているうなじは、やや太く見える。

「朝起きてヒゲを剃らなきゃなんねぇーんだったら、おやっさんだろ?」

「もう!それは言わないでよ!でも久しぶりね。

先月以来じゃない?水割りでいい?」

声色も見た目も背の高いモデルばりの超美人。

ではあるが、どうも性別が違うらしい。

オンナの姿をしたママは慣れた様子で撩の相手をする。

「あー、まかせるわ。」

頬杖をついて、足をくむ撩は、

ポケットからごそごそと紙切れを取り出す。

「いつこっちに寄ってくれるか楽しみだったのよ。」

食器棚からロック用のグラスを取り出しながら、

撩に優しい視線を向ける。

「あん?」

「撩ちゃんおめでと。」

化粧を上手に施した表情で祝辞を伝える。

「はん、どいつもこいつもおめでたいこって。」

「おめでたいのはそっちでしょ。

撩ちゃん全然お店にこないって、ウワサ流れてるわよ。」

カラカラとマドラーで一混ぜすると、

すっとテーブルにグラスを滑らせた。



「色々、慌ただしくてねぇー。」



ウソではない。

確かにこの2週間はあっという間に過ぎて、

決してヒマではなかったが、

その主要原因については、さておくことにする。

グラスを5本指で持ち上げると、

ゆらゆらと傾けてカラランと音を立てさせる。



「……いずれ、ここに連れてくっから。」

「ふふ、大歓迎よ。」

くいっと琥珀色の液体を飲む撩に笑顔で答える。

「なんか、変わったことはないか?」

「大丈夫、あなたたちに関する嫌な情報は入ってないわ。

ただね、ちょっと気になることがあってね…。」

カウンターの裏にかがんで何日か前の新聞を取り出した。

かさりと広げて、カウンターに広げると社会面裏を1枚めくる。

「先週ね、新宿駅で階段から落ちて入院した女性がいるの。

ニュースにはならなかったんだけど、

翌日別の場所で起きた交通事故、

これ乗っていた人同じ会社の人なのよねぇー。」

赤いマニキュアを塗った爪で指された小さな記事には、

男性2人の名前が記載されていた。

「赤木伊吹、伊藤貴三郎…ね。重体じゃなく重傷、か。」

「2日続けて同じ会社の社員が違う理由でこんなことに遭うなんて不自然じゃない?」

もちろん、新聞に3人の勤め先は記されていない。

“おやっさん”の情報網に、撩の一言が重なる。

「で、今度はぼや騒ぎか…。」

頬杖をついたまま、またくいっと液体を喉に流す。

「そう!撩ちゃん!よく次の話しが分かったわね!

今朝の新聞に載っていたの見て、偶然じゃなさそうだし。」

おやっさんも、撩が接点に気付いたことに、さすがと腕を組む。

「で、今日ね新宿駅でね、

その会社の社長が歩いてたって、入りたてほやほやの情報があるのよ。」

「あーん?」

「もしかしたら、伝言板の場所でも確認しに来てたかもよぉ?」

にやっと唇を三日月にするおやっさんは、さらに続ける。

「とても小さな会社、だけど大きなもめ事に巻き込まれているって感じ。」

「ふん。」

「この情報はサービスにしといてあげる。」

新聞を畳みながら、意味深に答える。

「その代わり、早く香さん連れてきてちょーだい。」

「面白がってるだろ。」

コンとグラスを置いた撩は眉間にシワを寄せる。

「もちろん。で、本題があるんでしょ?」

撩の指に挟まれた紙切れを指差すおやっさん。

「ああ、今日はこいつを注文しに来た。」

「なにかしら?」

ついっとメモ用紙を受け取ると、おやっさんの眉が少しだけ上がった。

「……ここまで、教える必要ある?」

「必要だろ?」

「確かに、爆破テロと化学兵器のテロはセットのようなものだけど…。」

「あいつは、爆発物の解体はある程度出来ても、そいつの情報は未修得だ。」

「分かったわ、どこまでの事件をさかのぼればいい?」

「1960年代からの主だったヤツ。」

「……結構多いわね。」

「ま、教授んとこでもいいんだけどさ、暫くは借り作りたくねぇーし、

CIAやらFBIがらみだったら、こっちの方が早いだろ?」

「まぁ…ね、いつまで?期限によっては料金アップしちゃうわよ。」

「急がねえから、詳しく、分かりやすく、で頼むわ。」

「はいはい。

でも、ホントいつこぉーなるかってじれったくて仕様がなかったけど、

やっとだわね。撩ちゃん。」

そう言いながら、

受け取った紙切れを着物の襟元に差し入れた。

「うっせ。」

ぷいっと口をとんがらせてそっぽを向いてみる。

「ねぇ、船から戻った後、香サンをほったらかしにした理由って、

ミックが言っていた通りなの?」

撩は、ちろっとママのほうをみやる。

「………前金、置いてこーかと思ったけどやめよっかなぁー。」

「図星みたいだけど? 分かったわ、“今は”これ以上突っ込むのはやめといてあげる。」

『今は』を改めて強調する口調に、ちっと舌打ちが鳴る。

「ごっそさん、また寄らせてもらうわ。」

撩は立ち上がると、

厚さ1センチほどの茶封筒を取り出して、

つとテーブルに残した。

「早く2人でいらっしゃい。待てるわ。」

どこぞの店で言われた同じ台詞をここでも聞くことに。

「ま、そのうちな。」

撩は、長居は無用と入ってきた扉を開けて、

また片手をひらひらさせながら出て行った。



「ちょっと大きな仕事もらっちゃったわね。さっそく取りかからなきゃ。」

大きな美人ママは、

見つめていたドアから視線を動かし、

カラになったグラスと置かれた封筒を見つめ、

くすっと細く微笑んだ。



*****************************
(28)へつづく。







これまでのお店は、
原作に登場したものを主に使わせてもらっていましたが
今回は、ママもお店もまったくオリジナルです。
(店名なし!しかもまたオネエサン!)

珍しくオリキャラのフルネームが出てきました。
本編では姿は見せない予定です。

赤木伊吹氏の名前解体
アカギ:トウダイグサ科の木本
イブキ:ヒノキ科の木本

伊藤貴三郎氏の名前解体
イトウ:サケ科の淡水魚
タカサブロウ:キク科の草本

うちのCHキャラ以外の命名方法は、
読みが基本ズバリ種名の組み合わせということで〜。
(漢字の表記は必ずしも一致しないです)
実在していらっしゃるか未確認っ。

29-26 I Can't Say

第29部 Calm Day?

奥多摩湖畔から15日目    



(26)I Can’t Say   ********************************************* 2965文字くらい




「はい、もってきたよ。」



眉間に浅いシワを寄せたまま、リビングに入る香。

無駄に大きな体を持つオトコは、

ソファーの短辺側に腰を下ろして、

ガラステーブルの上に新聞を広げている。



香は、紙面を挟んで撩の反対側にコーヒーカップをことりと置くが、

実は、このよく分からないもやもや感を運動エネルギーに変えて、

ガシャン!と音を立てたかったのを、

ぐっと抑えて、とりあえず寸止めしておいた。



「さんきゅ。」



さっきのキッチンでのやりとりは気のせいでした、という程に

至って平静な撩の姿を横目にして、

香も長辺側に背筋を伸ばしてゆっくりと座れば、

両手で自分のカップをそっと持ち上げた。

白い陶器の縁から、ちらっと隣りを覗き見れば、

撩の視線は紙面の小さな記事に落とされている。

「?」

うっかり見落としそうなくらいのその見出しには、

ぼやか放火か?と不審火を伺わせる単語が見て取れた。

渋谷のとあるビルが現場らしい。

そこまで確認できたところで、撩はふんと軽く鼻を鳴らして、

ページをめくった。

同時に、コーヒーカップに手を伸ばす。




「ね、ねぇ。」

「あ?」

カップ全体を包んだまま口元に寄せている状態で、

香は、先ほど思い立った提案を話そうとした。

「あ、あのさ…。」

の次が出てこない。



— 依頼人が来たら、ちゅうとか一緒に寝るのとか禁止よ —

— お客さんがいるときは、キスとかしないでよ —



と、いうことが言いたいのだが、

“ちゅう”とか“キス”とか“一緒に寝る”とかの様を、

リアルに想像してしまって、

また恥ずかしさの方が込み上がり、自分の口から出てこようとしない。

「あ、あの…。」

カップを持った手が膝の上まで降下。

肩幅が狭くなりもじもじモード。

間が長く、撩が不審がる。

「な、なんだよ。」

「そ、そのっ…、あのね…」

撩は片眉を少し上げたまま、くいっとコーヒーカップを傾けた。

半分まで飲んで、また新聞の端に指をかける。

「おまぁが、耳を赤くして言いよどむっつー時には、

だいたいもっこりネタだよな。」

「 っ ! ! ! 」

更に赤味を重ねた香をちらりとみとめると、

カップの縁を鷲掴みにして、左肘を自分の太ももにあずけ、

広げた脚の間に浮かせる。

空いた手は、また次の紙面をぱさりとめくった。

「そっ、そっ、そんなんじゃなくて!」

肩幅が更に狭まって背筋が伸び上がった香は、

ハタと今の発言を振り返ってしまった。



いや、言いたいのは、

ちゅうとか一緒のベッドに寝るのは自粛しましょう提案のことであって、

ましてや、来客中にもっこりなど、まったく思い描いていなかった。

いやいや、一緒に寝る=合体が定着しつつある状況で、

これに考えが及んでいなかったことは、全く持って不覚極まる。

あまりにもキスの回数が多く、

そっちの方に意識を持っていかれていた。

その上のランクの行為については、まさに今の撩の発言で

ケジメ条例案に即刻組み込まなければと決断。

このオトコ、もしかしたら、誰がいようとおかまいなしかもしれないし!と、

熱を持った頭の中で、必死に思考を回転させる。



また、撩の指が新聞をめくった音がした。

それにはっと引き戻されて、一個前の発言をまずは否定することに。

「ち、ちがうのっ!そ、それもありなんだけどっ!」

「へ?」

撩の目が紙面から香に向けられる。

ソファーのコーナーを挟んでかちっと目があった。

「だっ、だからっ、そのっ!」

唇が乾いてきて、両手で持っていたカップを慌てて口に運んだ。

当然にむせることに。

「ごほっ!」

「おいおい、何やってんだよ。」

お互い持っていたコーヒーカップをテーブルに置き、

香は、腰のポケットからハンカチをとりだして、

口元と涙目の目元を押さえ、

撩は、とりあえず香の背中でもさすろうかと手を伸ばそうとする。

しかし、その動きにはっとした香は、

ざざざっと布が擦れる音を発生させながら、

ソファーの長辺側最端部までに高速水平移動をしてしまう。

もちろん反射。

また、撩の右手が空(くう)に浮いたままになる。

「な?なんら?」

今このタイミングで撩に背中でも撫でられたら、

またそのままソファーに押し倒されかねないと、

頭で考える前に体が反応してしまった。

「あ、あはは…、ほ、ほんと、あ、あたしってば、

なに、やってんのかしら〜。」

こめかみからツーと落ちた汗をハンカチで拭きながら、

空いた片手をウチワ代わりにパタパタと顔をあおぐ香。




目をぱちくりさせている撩も、

どうもこの状況が飲み込めない。

言いたいことがあるんだろうが、

言えずにのど元で滞留している様は理解できるが、

この奥手の香がもっこりネタで、一体何が言いたいのか、

自白させるのは、撩にとってそんなに難しいことではないのだが、

ちらっとテレビの横の置き時計を見やる。



「おまぁーさぁー、今日は朝から、んと挙動不審だよなぁー。」

「そっ、そんなことないわよ!」

年中挙動不審のあんたに言われたくないわと、つい言葉に出そうになったが、

確かに、間違いじゃない。

リップクリームにしても、

撩のH本に対する過剰反応にしても、

スキあらば吸い付いて来る撩のキスに対しても、

こまごまとしたスキンシップにしても、

心は常に大騒ぎ。



「かおりちゃん、帰ったらゆ〜っくり聞いたげるぅ〜。」

「え?」

「そろそろ行って来るわ。」

香の背中に触れ損なった右手の進行方向をテーブルの上のカップに向け、

くいっと残り半分を飲み干せば、

また元の場所にこんと置きなおす。

読んでいた新聞も手早く4つ折りにすると、

よっと一声添え、両腿に両手を乗せてむくっと立ち上がった。

「それまで、言いたいことをちゃんとまとめとけよ。」

その台詞と同時に、また触り心地のいい柔らかい髪を

真上から軽く掴みかき混ぜた。

「も、もう!み、乱れるじゃないっ!」

自分の頭を守るようについ手が頭頂部に乗ってしまった。

キッとその広い背中を小さく睨む。

「んじゃねぇ〜。」

香の前をふふんとご機嫌な鼻息を出しながら通過した撩は、

リビングの入口で一時停止、ちらっと振り向く。

「おまぁ、俺が昼メシん時に言ったこと覚えてるか?」

「は?」

まだ火照っている顔できょとんする香。

「忘れてるな。」

にやっとする横顔を見せればそのままカチャリとドアを開ける。

「え?な、なんのことだっけ?」

「とにかく、すぐに寝れるようにしとけよ。

んじゃ、いってきやぁーす。」

いつものように片手をひらひらさせながら、

パタンと扉が閉められた。




「………。」




香は、はぁと俯きながら全身脱力。

「うぅ〜、な、なんて言えばいいのよぉー。」

結局、言いたかったことを言えなかった。

撩は、言いたいことをまとめとけと言い残したが、

やっぱりダイレクトに自分の口から言えるほど、

まだこの関係に慣れていない。



「そ、それになによ。昼の話って。」



午後の目隠し訓練で、昼食時の記憶がすっかり上書きされ、

何を言い渡されたか、すぐには思い出せない。



1週間ぶりのパトロールに出た相方が、

玄関を出て行く音がドア越しにかすかに聞こえた。



「も、もうっ!」



何だかよく分からないが、

常に落ち着き払っている撩の行動が悔しくて、

やり場のないもどかしさが込み上がる。



「ばか…。」



香は、左手に触れたソファーのクッションの端をくいっと掴むと、

溜めたエネルギーを乗せて

ソファーの角にぼすっと投げつけた。



*****************************
(27)へつづく。






29-25 For Oneself ?

第29部 Calm Day?

奥多摩湖畔から15日目



(25) For Oneself ? ********************************************** 3687文字くらい




「あー、くったくった。香コーヒー。」



ごとりと器をテーブルに置くと、

げふっと脱気しながら膨れた腹をさする撩。

「あたし、まだ食事中なんだけど。」

「ぼくちゃん、香ちゃんのコーヒーが飲みたぁーい。」

頬杖をついてニンマリと上目遣い。

「た、食べ終わるまで待っててよ。」

その視線を合わせないように、

茶碗を傾けわざと顔を隠してみる。

「そういえば、あんたさ、さっき屋上で何やってたの?」

「あーん?」

「随分と外にいたんじゃないの?」

指先が冷えていたことをなんとなく感じていたので、

答えを聞けなくても、

間つなぎも兼ねて一応尋ねてみることに。



「冴羽ビルの防犯チェック。給水タンクも異常なし。

おまぁもたまに上がって異変がないかチェックしとけよ。」

「え?タンクを?」

食事の手が止まった。

「そ。ま、滅多なことじゃ、

ここに侵入してタンクに毒入れるヤツとか出てこねぇと思うが、

用心はしとけ。」

さらっと言われた毒という言葉に、

少しだけ肩がくっと上がった。

自分たちは常日頃より

命を狙われる危険な状況下で暮らしていることを

改めて再認識されられる。

何が起きるか、想定がつくものは可能な限り想定内にしておきたい。

思った以上に重く受け止めてしまった香は、

一瞬いつか訪れる死の形をつい考えてしまい、

強制的に話題の転換をすることにした。



「と、ところでさ!あの花、かすみちゃんからのでしょ?」

「そ。」

「花瓶に活けたのあんたなの?」

「そ。」

「………。」

「なんだよ。」

「やっぱへん。」

「ああ?」

香は、もぐもぐと食事のラストスパートをすませれば、

かちゃかちゃとカラになった食器を片付ける。

「ごちそうさま。」

がたっと立ち上がると、重ねた器をシンクに運び、

テーブルの上を片付け始めた。

手を動かしながら、小声でぼそぼそと独り言のようにつぶやく。

「なんかさー、っホントこのところさー、

今までの撩だったらしないんじゃない?ってことばっかり続いてさー、

……なんか、混乱、する。」

「はぁ?」

水気を絞った台布巾でテーブルを拭き上げる香の横顔は、

ほんのり赤くなり、細い眉はやや下がり気味。

「あああんたは、そ、その、も、も、もっこりライフのためとか、

なんとか言ってたけどさ、それにしてもやっぱりヘンよ!」

「んー?リョウちゃん、カオリンのお仕事、一つ軽くしたぁーげたの!」

「で、でも!」

理由が飲み込めない表情で撩の方に思わず目がいく。

が、相方の焦点は別のところに。

布巾を持っていない方の香の手首がついっと持ち上げられてしまった。

「わっ。」

「トゲでも刺さったら、リョウちゃんもやぁーだしぃ〜。」

敢えて “ 誰の指に ” という目的語を省略し、

白い右手の小指側面にすばやく唇を寄せる。

「うひゃああっ!」

ババッと空気が切られる効果音がクリアに聞こえるほどに、

超高速で香は両手を後ろ腰に引っ込めてしまった。

「あああああんた、きゅっきゅっきゅうに、なななにすんのよっ!」

イカリ肩になった上半身からぶわっと湯気が上がる。

足元はそのまま一気に後退、

背後のシンクにドンッと体が当たり行き止まりに。

「ナニって?」

にやついたままの顔でゆらりと立ち上がり、つま先を相方に向けた撩。

香が捕獲モードだと気付いた時には、

すでに太い両腕が流しの縁に乗った後。

シンクと撩の間に完全に挟まれてしまった。

「まっ、またっ…!」

細めた目で見下ろしてくる撩に、

香は負けるもんかと、よく分からない対抗意識が芽生えて、

真っ赤になったまま、キッと上目遣いで軽く睨んでみる。

このオトコは、食欲の後は性欲ぅ〜と言い出しかねないと、

この後の展開を警戒しつつも、

実は自分もこの場で深く抱きしめられたいと

胸の奥で小さな火がぽっと灯ってしまう。

それを悟られまいと、初期消火活動をすべく

見せかけの抗議を訴えることに。



「だめだわ…、やっぱり、慣れない…。」



眉間に小さくシワを寄せ、

困惑顔のままで

強気の視線を向けてくる香がまた愛らしく見える。

「ん?」

「だっ、だって!洗濯物手伝ったり、食事作ってくれたり、寝具しまってくれたり、

さっきも花飾ってくれたりって、こ、これまで、全然なかったじゃない!

い、い、いくら、そ、そ、その、ああああたしたちの、かかかか関係が

かか変わったからってっ、やっぱりヘンよっ!」



かみまくりながら、一気に早口で得心がいかない想いを、

数日前と同じように繰り返し吐き出してみる。

言い切った後に、食事は稀ながらも何度か調理していたかと、

記憶と発言の違いを思い出すも、有意差はないと判断。

はぁと一息ついた香は、少し俯き加減になり、

前髪の奥に潤んだ両目が隠れてしまった。



「……な、なんか、こーゆーの、まだ全然慣れないよ…。」



手を後ろにまわしたまま、小さく細い声でつぶやかれた声が、

撩のオオカミさんにエンジンをかけることになるが、

本人は全く無自覚。

撩は、くすりと小音で笑うと、

香を挟み込んだまま、ゆっくり顔を降ろし、

その前髪にそっと鼻先と口元を触れさせた。

細い体が、ぴくんと小さく反応する。

「……香。」

その声で、目を閉じそうになっていた香の瞼がパチッと開き、

下を向いたまま、すはっと息が短く小さく吸われる。



「……おまぁが、慣れる慣れないはさておきだな、

基本は、ボクちゃん自分のためっ、つーのが前提だってことで。」



そこまで言うと、下を向いていた香の視界に

左から大きな右手がせり上がってきて、

そのまま自分の左の頬が包まれた。

じわりと上向きに顔の角度を変えさせられ、

見下ろす撩と見上げる香の視線がかちりと合う。

同時に、撩の右手の指が、

香の左耳にかかっている髪の房をさらりと耳介にかけ流した。

その優しい手と指の動きが、

やはり信じられないと思う疑念と、

もっと触れて欲しいという希望とを

胸の中でぶつけ弾けさせる。



香は、ふと撩の瞳の中の自分の表情に気付き、

思わずくっと目を閉じてしまった。

それが合図と言わんばかりに、

顔左半分が温かい撩の手で包まれ、

自分の顎がくいっと角度を変えられ

素早く唇を吸い付かれる。

「んっ。」

ちゅっと鳴った音が耳に入った時には、

頬に添えられた手は茶色いくせ毛をくしゃっと掴んでいた。

うっすらと片目を細く開けてみる。



「このまま上に連れて行きてぇーけど、

ボクちゃん今晩お出かけすっから、続きは帰ってからな。

コーヒー飲んだら出かけっから、旨いの頼むわ。」

「あ…。」

そいうえば、日中そんなことを言っていたと、

交した会話を思い出す。

その思い返している間に、撩はすっと香から離れて、

キッチンを出るとリビングのある方へ廊下を曲がって行った。



「はぁ……。」



後ろ手に組んでいた手をシンクの縁に掴ませ、

ずり落ちそうになる体重をひしっと支える。

上向き加減に深いため息を出した横顔は、

まだ緋色に染まったまま。

目を閉じ、下がった眉はなかなか元に戻らない。



「な、なによ…、自分のためって…。」



恩恵を受けているのはこっちのほうなのにと、

こまめな撩の「お手伝い」に、まだまだ違和感が拭えない。

と同時に、

唇に残った感触が、どこか物足りないと、

少しでも思ってしまった自分に気付き、

またかぁーと体温が上がる。



「と、とりあえず、コーヒーいれなきゃ…。」



ミルと豆を取り出して、

ギクシャクといつものコーヒーをいれる香。

「一体一日に何回…。」

吸い付いてくるの、と今日一日のことを思い出して、

頭の中で、照れながらも指折りしてみるが、途中で分からなくなる。

(たぶん、もう、ご、5、回くらい?)




自分と撩が、こんなに毎日何回も

唇を重ねる関係に進展することなど、

先月までは、全く考えてもいなかったし、

考えることそのものが禁忌だと、

意識の遥か遠くに追いやっていたはずなのにと、

あれから半月過ぎても、未だこの変化に気持ちが追いつかない。



「う、うれしい、けど……。」

(は、恥ずかし過ぎるっ。)




照れて浮かれている場合ではないことを、

自分に戒めつつも、

この関係に本当の意味で慣れるまでには

果たしてどれだけの月日がかかるのか、

注がれる熱い黒い液体を見つめている表情は、

耳まで赤く、眉が八の字に下がったまま。



「依頼人、来た時どうすんのよ…。」



まだあれから、一般客?の呼び出しはない。

これまでのように、

ボディーガードなどで依頼人と過ごさなければならないことも

当然出て来ると過去を振り返ったとたんに声が出る。

「そっ、そうよ!絶対ダメだわ!仕事中はっ!」

コーヒーを注ぐ手が止まり、

俯きいていた顔がはっと正面を向く。



これまで、教授宅への往復や、ファルコンの仕事のサポートに、

訓練にと、あっという間に過ぎて行く中で、

伝言板にXYZが書かれていたらどうなるかを

ちゃんと考えるゆとりが殆どなかった。



とてもじゃないが、

この状態のいちゃつき度合いをオシゴト中にまで

持ち込むワケにはいかない。

自分の中の議会会場で、ある種のケジメ条例を制定する。



「ダメっ、絶対ダメだわ…。」



公私ともに撩のパート—ナーに相成って2週間、

自覚のない独り言を漏らしながら、

香はトレーに乗せたコーヒーセットを持ち、

ダイニングキッチンをパタパタと出て行った。


*****************************
(26)へつづく。







撩がもっこりライフのためとか云々言っていたお話しは、
25-05の回でやりとりが出てきます。


【御礼】
13万HITありがとうございます!
お礼企画が全然進ま〜ん…(TT)。


プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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