10-02 Kiss From Kaori (side Kaori)

第10部 A Holiday

奥多摩湖畔から5日目


(2)A Kiss From Kaori (side Kaori) ************************************************1882文字くらい



「……ん。」



腰が重たい。

右肩に温かい感触がある。

たぶん撩の右手で包まれ抱かれている。

そっと目を開く。

仰向けに寝て、静かに目を閉じている撩が視界に入ってきて、

どきりとする。

あたしは撩の右肩口を枕にして、密着している。



あれれ?何で服着てるの?撩も?

まっ、まさか、あ、あれって夢だったの?

ううん、そんなはずはないと思うんだけど…。

ど、どういうこと???



目だけ動かして、まわりに注意を払うと、

チェストの上に、夕べはなかったタオルと洗面器に、

変えられた新しい毛布が視界に入る。



と、と、ということは、

撩がこのパジャマを着せてくれたってこと??

パパパパパ、パンツもぉ??



かぁーと体温が上がる。

は、恥ずかしいぃ。

よ、要介護じゃないんだからっ、

そんなことを、りょ、撩にさせるなんてっ。

も、もう、この数日は恥ずかしいことばかりで、

心臓病になりそうだわ…。

夕べのことを思い返すと、今の静かな時間が嘘のよう。

外から、街の雑踏だけが聞こえる。



ひ、一晩で2回っていうか、

撩がいつも依頼人や冴子さんに言っていた、

2発とかなんとかいうのを実体験してしまった、の、よね…。



た、たぶん撩の体力からすると、

2回じゃきっと足りなかったかもしれないけど、

あたしの方が先にギブアップして、

最後まで意識を保てなかった…。



……ごめんね。

ちゃんとついていけなくて…。



撩と一線を越えてから、…3回目。

今回は、繫がっている時間がとても長くて、

今もあの時の息使いが聞こえてきそうなくらい、

ぼやけた記憶がおぼろげに蘇ってくる。



あああ〜、また顔が熱くなってきた…。

今日が何も予定のない日で助かったわ…。

…ちょっと、動くのが辛いなぁ。

もう少し一緒に寝てようかな…。

…でも、喉が渇いた。

トイレにも行きたい。

でも離れたくないな…。

撩の横顔を薄く開いた目でこっそり見つめながら、

これからどう動くか少し悩んでみた。




生きて帰ってきてくれた。



撩は、お互いが生きている確認作業だ、と言っていた。

これまでの経験を思い返すと、

危険な仕事をこなした後に、

高ぶってくる感情はあたしにも確かにある。

それを種族維持本能と、撩はあの病院の屋上で言っていたけど、

本能なら、誰でも構わないってことじゃない?



違うの。



撩じゃなきゃだめなの。



生きていてよかったって、こうしてまた一緒に

ここで過ごせることを、共に確認し合う相手は、

……あなたじゃなきゃ、だめなのよ…。



目をそっと閉じる。

幾千の死線を乗り越えて来た撩は、

その度に、こんな気分を味わっていたのかしら…。

その時、そばにいた人に同じように確認作業をしていたのかしら。

今のあたしが感じてきたことを、

色々な女の人に…。



あああーっ、だっ、だめっ!だめっ!

撩の過去を気にし始めたら、

それこそキリがないわっ!

そうよっ!

どんな過去があっても、一緒にいると決心したのよっ。

撩と夜を共にしてきた幾多の名前も顔も知らない人たちに、

嫉妬心を燃やして、

余計なエネルギーを使いたくはないわっ。



今、あたしは撩と一緒にいる。

それでだけで充分。

あんな夜を過ごした後の翌朝なのに、

勝手に暗い気持ちに落ち込むなんて、情けないっ。

まだ片足を突っ込んだだけのはず。

早く脱出しなきゃっ。



あたしは、そんなことを考えながら、

右手をそっと伸ばして、撩の左頬下にそろりと触れた。

少し伸びたひげの感触にドキリとする。

たぶん撩は、あたしの腕が動いた時か、

あたしが目覚めた時にはすでに起きている可能性が高い。

それを承知で、少しだけ上半身を起す。



「…りょ。」



視線が唇に止まったけど、それだけでボボッと顔が熱くなる。

少し考えてからあたしは別のものに照準を絞る。



目を閉じて、超スローモーションで、緊張しながらそこに近付く。

初めて自分から撩の鼻先に自分の唇を、

掠めるように触れさせた。



かなり遠慮気味だけど、

着替えさせてくれた感謝を込めて、

あたしを受け入れてくれたことにありがとうと伝えたくて、

これでも力一杯の勇気を振り絞ってみた。



その時、あたしを抱き込んでいた撩の右手が

下にずれ落ちながら一瞬ぴくっと小さく揺れた。



「先に、降りてるからね…。」



顔を赤らめたままで耳元に囁く。

撩の腕が緩み、あたしはゆっくりベッドを降りる。

やっぱり、腰が重い。

いつもより3割減のスピードで体を動かしながら、

床に散らばった昨日の服を集めた。

自分で脱いだパンストももれなく回収。

思い出して、また顔が熱くなっちゃう、

夕べ、撩のためにお風呂場へ持っていこうとした服は、

ちゃんと今撩が着ている。



ああ、腰やお尻のまわりの筋肉がなんだかヘン。

やっぱりアソコに何か挟まっているような気がするぅ。



そっと扉を開けて音をなるべく立てないように、

あたしは、撩の部屋を静かに後にした。


***********************
(3)へつづく。





鼻ちゅう、けっこースキなんですぅ〜。
いちゃついたあともインナー着込んでいるパターンは
原作最終回の撩が香に叩き起されるシーンに
反発しての妄想だったりして。
ちなみに、当サイトの設定では、
最終回はカオリン女の子の日だったということにしております。
ねっ、十波ちゃんっ!←名指しかよ。
(彼女のブログの2008年8月30日分参照!)

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プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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