11-03 Memory Of Sugar Boy

第11部 Memory Of Chinderella 

奥多摩湖畔から6日目


(3)Memory Of Sugar Boy  ******************************************************1230文字くらい



「9年前、か…。」



四捨五入すれば、10年近く前のこと。

射撃場に入った撩は、ふと息を吐いた。



(さっきの香の照れ方は、夢の中の俺が、

ナニかやらかしたとしか考えられなかったが、

まさか具体的な過去の年数を説明されるとはな。)



香がプチ家出をして、槇村が探してくれと懇願した時、

撩は香の容姿を知らないことにしていた。

しかし、過去の撩の経験から、

自分の相棒になった相手の家族情報については、

出来うる範囲で把握すべきというある種の習慣があった。

万が一トラブルに巻き込まれた時のために、

顔、名前、性別、年齢、職業、住まいは、基本情報として押さえる。

これは、槇村と組んだ時も当然行っていた。

しかも、槇村には気付かれないように。



あの不世井重工の依頼人と会った公園で視線を送っていたのが、

殺気のなさや雰囲気から、未成年、

もしかしたら槇村の妹である可能性は感じていたが、

たまたま不世井重工の手下らと香がいた場所が重なり、

いたしかたなくの接触となった。



相手は高2の子供であり、槇村の溺愛する妹。

とっさの判断で男扱いをした。

その後、

裏の仕事の存在とそれに兄が関わっているという事実に、

迷い悲しむ少女をどうしたらいいか、

撩なりに迷って移した一連の行動。

今では、懐かしく、かつ重き意味を持つ出会いの記憶。



「……香。」



撩は、ブースに立って、すっとパイソンを構えた。

重さと感触を確認し、目を閉じる。



ドドドドン!ドンドンッ!



連発する銃声。

的に開いた穴は1つ。

目を開けそれを静かに確認する。



「まぁ、今日はこれだけにしておくか。

弾も節約しろって怒られそーだしぃ。」



撩は薬莢を捨てながら、

奥の武器庫へ入り、消耗品の在庫チェックをした。

香には、まだ銃火器関係の入手ルートを教えていない。



「そのうち、言わんとだめだろうな…。」



本音は、まだそこまで関わらせたくない。

武器の不法所持や密売の情報を知ることは、

身の危険度が格段に上がるからだ。

しかし、もう一蓮托生と決めたこれからの生き方に、

商売道具の出入りの情報を香だけ完全にシャットアウトすることは、

もはや出来ない。



「ま、おいおい教えて行くか…。」



またちくりと胸に刺さる。

この罪悪感は、ずっと伴っていくものだろうかと、

撩は苦笑した。



「……まさか、あの時のシュガーボーイが、

俺のオンナになるなんてな…。」



本当は、初めて視線が合ったその時から、

微粒子のような予感が頭の片隅にあったのかもしれない。



幼さを残した様相から、

時を重ねるごとに、

極上の女へと熟れてくる姿を気づかないようにしながら、

このまま、そばに居させては行けないと、

葛藤していた日々。



「我ながら、よくガマンできてたよなぁ。」

髪を描き上げながら、ふと息を吐く。




香の夢の話しで、

初めて出会い言葉を交わした時のことを鮮明に思い出しつつ、

撩は、オペレーションルームの中にあるトレーニングコーナーで、

軽い筋トレをこなした。


**********************************
(4)につづく。





という訳で、当サイトでは、
不世井重工の件の時、
すでに撩はカオリンの個人情報を把握していたと仮定しております。
あの回は、Sugar Boy =槇村の妹の香と分かっていての
一連の行動だとすると、特に後半、
再びクーパーの前に飛び出て来た香に対して、
香が持つ刑事を辞めて何をしているのかという不安を
軽減させる計算までしていたのではと、
深読みしたくなってしまうのですが、考え過ぎかいな?
だって、そうじゃなきゃ現場に連れて行ったりせんだろ〜?と思うのですが〜。
見せることで、香なら何かを掬い取れるだろうと、
撩なりの確信があったのでは〜?
しかし、あの朝の公園でカオリンが雲隠れせずに、
3人で会っちゃったりしてたら、どんな展開になっていたのか。
もう一つの未来の妄想もまた萌えポイント〜。
で、目を閉じてのワンホールショット、もちろん捏造ですが、
ヤツなら可能でしょう〜。

あ、追記。
たぶんあの路地で撩と香の視線が最初に合った時、
奴は多少の殺気を出していたっぽいな〜。
カオリンも「殺される」と直感したわけですし。
つーことは、
やっぱり顔見るまでは香と確定していなかったってことか。
うーん、読み返せば読み返すほどに、
色々深まってきちゃう気分です。

【ホトトギス】
今日、すべての花が散り落ちてしまいました。
今季のピークは、2週間前くらいの
11月第一週。
しかし、奥多摩の緯度経度標高を考えると、
当方の庭よりも、寒気がおりてくるのは若干早いはず。
うーん、それでもやっぱり、
あの結婚式は11月上旬ということにしたいっ。
まぁ、きっと花の咲き具合は大差ないだろうっ。
とりあえず、ホトトギスの花期についての検証終わりっ!

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プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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