15-01 Panic (side Ryo)

第15部 Mean Of Luck (全20回)

奥多摩から8日目


(1)Panic (side Ryo)  ****************************************************2131文字くらい



「ん…。」



腕の中で香が身じろぐ。

長い睫毛がふるっと揺れ、ゆっくりと瞼が持ち上がる。

やっと起きてくれたかと、

言葉を待てずに前髪をかき分け、額に唇を押し付ける。



「え?」



素で驚きの声が出る香。

「おはよ。」

香の全身がピキンと強張った。

徐々に変化する顔色。

状況の分析に理解が追いつかない表情をしている。



それが可笑しくて、

つい腹筋でもっこりをぴくんと動かしてしまった。

「きゃあああっ!」

体が跳ね上がり、腕にしがみついてくる香。

もしかして、という顔つきから、やっぱり事実と悟った顔になる。

固まったまま、目を合わせようとしない。



「かおりちゃんがぁ〜、なかなか離してくんないからぁ〜、

入れっ放しにしちゃったのぉ〜。ボクちゃぁんたらぁ〜。」



真っ赤っかになっている香を抱き込む。

朝もっこにそのまま移行した元気な息子が、恥じらい度100%の香の中で

またぴくんと動く。



「これから朝の一発どぉお〜?」



スケベおやじモードのタコちゅう顔で迫ってみる。

出るのはミニハンマーだと思っていたが、

細い片腕で振り落とされたのは超特大恥じらいハンマーだった。

受けた勢いで結合部がめでたく離れる。



「ぐっ……。こ、これは、きつい…。」



ハンマーとベッドの間でサンドになり、手足を痙攣させてみる。

香は、露出した裸体に、掛け布団をあわてて纏い、

少しよろけながらベッドを転げ降り後ずさりする。



「なっ…、なっ…。」



もう言葉も出ないようだ。

この状況にパニックの香は、

自分の衣類だけ掻き集めて、ばたばたと部屋を後にした。

途中、階段で躓(つまず)き転ぶ音がする。



「おいおい、大丈夫かよ。」



ハンマーをコロンとどかして、サンドから脱出するも、

まだ息子は天を向いている。



「クセになりそ…。」



繋がったままの心地良さ、そのまま朝を迎える至福感。

香に予告なしで連結したままだったのは、

多少?混乱を与えてしまったが、こんな快感は初めて得る。

当然、こんなことを『した』のも人生初。



たぶんまじめモードで迫っていたら、

そのまま朝の一発ができたかもしれないが、

夕べだけで相当疲労しているはずの体に無理強いは出来ない。

わざと、ハンマーを出させるべく吐いたセリフだったが、

言葉が紡げない程に混乱していた香を思い返し苦笑する。



「んと、いいオンナだこと…。」



枕と頭の間に腕を組み敷き、ふと瞼を閉じる。

なまじ他のオンナの体を味わったことがある分、

余計に香の群を抜いた良さを、身をもって痛感する。

物理的な快感も然ることながら、精神面での差異も大き過ぎる。



あれから8日目の朝。

飽きない。

何度でも抱きたい。

一日中、抱き合っていたい。

確かに香がピルを飲んでいなければ、

速攻で孕(はら)ませていても可笑しくない愛し合い方にまた苦笑いする。



予感していた中毒への道にもう両足を突っ込んでいるかもしれない。

ますます独占欲が高まっていく。

これから、より一層香を取り巻く危険度が上がっていく。



だが守るべきものがあるという事実。

それだけで、

身の内に巣食うエネルギーの代謝が違ってくる気分を感じる。

香と繋がっている最中に、もし賊が乱入してきても、

対処できる自信は十分にある。

むしろその確信がなければ、

香と一線を越えることは出来なかった。

男が一番無防備になる瞬間であっても、

守る自信がなければ、

この世界で一人の特別な女を傍に置くことなどできない。



実際過去に、お楽しみのところを邪魔され、機嫌悪く賊を始末し、

誘った女もグルだったことは、軽く二ケタは越えるだろう。

マリーだって、

俺を丸腰にするためにホテルで捨て身の作戦を使ったくらい、

そーゆー場は狙われやすい。



「一応、今後のために一言、言っておかんとな…。」



賊の乱入の可能性と、抜かずの朝もっこ予告、

この2点は後に説明しておこう。



自分の相棒が香の温かい襞に包まれていた感触を思い返す。

このまま一緒に融けてしまいたいなとど、自分らしからぬことも

思い描きながら繋がっていた数時間。



こんな俺が、

よくぞお前のような女と出会え、

そしてよくぞここまで辿り着けたものだ。

まだあれから8日しか経っていない。

これからお前が30代、40代と年を重ねて行っても、

傍にいるのはずっと俺でありたい。



守りたい未来が出来たという感覚が

どうにもこうにもくすぐったいが、

まぁ、悪くはないさ。




さてと、冗談抜きで、今日は護身術の訓練をするつもりだが、

あいつに体力が残っているのか。

ま、消耗させちまっているのは俺なんだけどな。

ふと鼻に朝食の準備の匂いを感じる。



「そろそろ起きますかね…。」



素っ裸でむくりと起き上がり、脱ぎ捨てた下着を手にすると、

香の腰の下に敷いていたフェイスタオルが目に入った。

お互いの体液で、しめっぽくなり甘酸っぱい香りを纏わせている。

香の残り香にくらりとしながらも、無理矢理、海綿体の血液を撤退させる。



「こいつも下に持って行くか…。」



時間は午前9時前。

「今日は何しよっかなぁー。」

ひとまずシャワーを浴びて相棒の元へ向かうことにした。


**************************
(2)につづく。





ふにゃもっこでも、尿瓶に入らなかったのは印象的でしたが、
先日、ホームセンターでブツがあったので、
思わずこっそり直径を指で計測しちゃったのよ〜。
(医療介護に関わっている方は身近なものかもしれませんが、
私が実物を見たのは、たぶん初だったかも。)
内径7センチ…。
やっぱ凶器だわ…。
というワケで、8日目のスタートです。
どんな1日になることやら〜。

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プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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