15-02 Shame

第15部 Mean Of Luck  

奥多摩から8日目


(2)Shame  *************************************************************1787文字くらい




バタン!!

掛け布団で身を包んだ香は、

顔と体を真っ赤にしたまま6階の客間に飛び込んだ。

そのままずるずると扉を背にして、しゃがみ込む。



「〜〜〜っ。」

声も出ない。



正直、とても心地良く、

幸せ感にどっぷりと浸った睡眠であったことは間違いない。

夢見心地に、羽根布団のような優しさで撩に包まれている感触に、

適度な疲労感がより良い眠りを与えてくれた。



しかし、目覚めた時、

まさか繋がりっ放しだとは思ってもみなかった。

それをむしろ、

気持ちがいいと感じていた自分が、とてつもなく恥ずかしくなり、

喋ることもできないまま、撩の部屋から逃げて来た。

初めての時と同じように、まだアソコに何かがハマっているような

妙な違和感がある。

しかし、痛くはない。



「…ぁ。」



内股に流れる粘度のある液体に気付き、そっと纏っていた布団をめくると、

白い筋が床に落ちそうになっていた。

「……い、いけない…。シャワー浴びなきゃ…。」

撩が自分を愛してくれた痕跡に、更にかぁーと赤くなる。

急いで衣類を選び出すと、

掛け布団を纏ったまま昨日着ていたものも一緒に持って浴室に向かった。

肌が汗で少しべたつく。

確かに夕べは何度も登頂させられて、汗だくになった記憶が残っている。

掛け布団を取り去り洗濯機に入れると、新しく付けられたキスマークが二ケタはある。



「っちょ、…ちょっと、これって…。」



振り返って腰の辺りを見下ろしてみると、視界に入るだけでも、

背面に同じ数ほどの所有の証。

恥ずかしいやら、照れくさいやら、これでは夏に水着も着れないではないかと、

余計な心配をしてみるも、そんなイベントは縁遠いと思い返す。



視線を自分の体に落としながら、そっと胸元の痕に指を這わせる。

目を閉じると、また撩の息づかいや唇の感触が明瞭に脳に蘇ってきて、

思わず下腹部にじわりと熱がたまる。



「も、もうっ!」



香はぶんぶんと頭をふって現実に戻ろうと意識を掻き集める。

「と、とにかく早くシャワー浴びなきゃ。」

他の衣類も混ぜて洗濯機をまわすと、香は急ぎ足で浴室に入った。



— 今日は、1回だけな… —



シャワーを浴びながら、髪の毛を洗う。

(あいつは、確かにそう言って、その通りだったけど、

あたしには何度もすごく気持ちよくしてくれたのに、

自分は1回でいいなんて…。)

正直なところ気を使って欲しくない。

撩が慣れない自分に配慮して、何かを我慢させていることが

どことなく辛くて切ない。

かといって、何発でもいいわよと、

明るく答えられるようなスキルも体力も今のところ持ち合わせていない。



(それにしても驚いたわ…。)

入れっ放しに出来るものなんだ、と気付いた時のショックは結構大きかった。

合体したままだったことを、

寝ている間全く気付かなかった恥ずかしさや情けなさもあるが、

一晩中、繋がっていたことを思うだけで、また体温が上がってくる。

それを決して嫌とは思わなかった。

むしろ嬉しさを感じる部分もあったのだが、

あの部屋の飛び出方では、

きっと撩は自分が嫌悪感を持ったと思ってしまっているかもしれない。



(ただ、恥ずかしかっただけだから…。)



朝の一発とか言っていたけど、

スケベ顔ではなく、素の真面目顔だったら、

もしかしたらそのまま受け入れていたかもしれない。

そんなことを考えながら、赤らめた顔を泡で洗い、

素早く髪と体を洗い流し、浴室を出ると大急ぎで体を拭いた。



持って来た上下を衣類を身に纏い、洗面所に行って髪を乾かす。

今日は、ブルーのジーンズに黒のハイネックのTシャツに白いトレーナー。

鎖骨上にまであるキスマークを隠すための用心も含めてのシンプルなコーディネート。



教授のところへの通いは一区切り。

今日からまた日常に戻る。

朝食を作り、掃除をして、洗濯をして、伝言板を見て、買い物をして、

夕食を作って、その他雑用で、あっという間に一日が過ぎる。

奥多摩から戻ってきてから8日目。

密度の高い1週間を経て、ふぅーと息を吐き出す香。



ドライヤーのスイッチを切り、髪に指を通す。

(やっぱり長くすると大変なのよね…。)

指定席にドライヤーを戻すと、足早に客間へ行き、

簡単に肌に潤いを施す。



(早く食事作らなきゃ…。)



ちらっと兄の写真を見る。

撩と顔を合せるのが恥ずかしい。



「アニキ…、オ、オトコって、あんなものなの、かなぁ?」



頬を染めながら部屋を出て行く香。

撩しか知らない香の疑問は最もなこと。

槇村も写真の中で苦笑していた。


*************************
(3)へつづく。





撩を基準にしちゃいかんことは、
カオリンあーたが一番よく知っているでしょ〜。

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きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
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十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
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