21-01 Oversleep

第21部 Invasion Of A Novelist (全12回)

奥多摩湖畔から11日目


(1) Oversleep ******************************************************** 1197文字くらい




くぅ〜…。


自分の空腹を訴える音で目が覚める。

パチッと瞼が開く。



「え?」



ブラインドから漏れる日差しの角度が、いやに高い。

がばっと上半身を起こす香。

撩の右腕が枕になっていたらしい。



「起きたか?」



背中から聞こえたその声と同時に、

自分の腰に重たい左手が巻き付いていることと、

毛布がはだけて何も着ていない肌が冷たい空気にさらされたこと、

視界の端の時計の表示にと、

一気に色々気付かされる。



「なっ…、きゃ!…ひゃああ!」



慌てて毛布をたくしあげ、胸元を隠そうとしたら、

ぐいっと肩と腕を引っ張られ、撩の胸にばふっとぶつかった。

「たっ!」

「おはよ。」

鼻をぶつけた香は、少し目を潤ませて、むっとした表情で撩を見上げる。

「や、や、やっぱり起きれないじゃないっ!!」

腕の中で、いきなりの抗議。

「なんでもう昼過ぎなのよぉ!!」

「そりゃ朝っぱらから頑張っちゃったし」

その語尾とハンマーの出現はほぼ当時、100トンで撩の上半身は潰される。



「ばっ、ばかあっ!」

香は手が届いたパジャマの上だけを慌てて身につけ、

脱がされた衣類を慌てて回収する。

「ま、また、ゴミが捨てられなかったじゃないっ!」

「あー…、ビンとかだったら溜まってなかったぜー。」

「は?」

ハンマーの下から、ぼそっと聞こえた相方の声にきょとんとする香。

「あんた、なんのこと言ってんの?」

ごろんとハンマーをどかしながら、髪をぼりぼりと掻き上げる撩。

「あ?今日は缶ビンの日だろ?出すもんなさそーだったから、今回は大丈夫だろ?」

「………。」

香は目を閉じて眉間にシワを寄せ、ふるふると震えている。



「……あんた、どこ見てそんなこと言ってんの?」



「は?」

「物置に今日の朝、出したいものがあったのに…。」

衣類を抱いている手がわなわなと揺れる。

「ほぇ?」

「あ、あんた、俺がしとくからとかなんとか言っても、きっと出来ないと思ったから、

今日は出さなきゃって、思ってたのにぃー。」

またハンマーを振り上げる香。

ベッドの上の膝立ちでパジャマの裾から見えているナマ足が実に色っぽい。



「ま、まてっ!」

次の衝撃が容易に想像でき、反射で腕で頭をガードするポーズをとってしまう。

「起きようと思って目覚ましかけておいたのにぃ〜。」

「あ…。」

確かに余計な気をきかせてセットを解除したのは撩。



「わりぃ、わりぃ、カオリンお疲れのようだったから、

起こしちゃかわいそっかなーっと思って消しちゃっ」

2発目の100トンが振り落とされる。

「撩……、やっぱりあたし自分の部屋で寝る。」

香は、そう言い残して、お怒りオーラをばしばしと飛ばしながら、

衣類を抱えて撩の部屋から出ていった。




「……も、物置にも、あった、のね。」

撩はハンマーの下で、がっくりと脱力したまま、

耳だけは香の動きを追っていた。

(ツメがあまかった、か…。ボクしゃんたら…。)


***********************************
(2)へつづく。






力一杯寝坊をさせてしまいました。
今日は、一体どんな1日になるのやら…。

スポンサーサイト
プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


9万hit記念に
とりあえず作ってみた
CH専用Twitter
 


拍手1000パチ記念につけちゃいました。



かなり便利なサーチツール

登録サイト最新情報はこちらをチェック!


試運転中…

カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
現在の閲覧者数: