21-02 Overglaze

第21部 Invasion Of A Novelist

奥多摩湖畔から11日目  


(2)Overglaze ********************************************************* 1345文字くらい




どすどすと廊下を歩き、自分の部屋に入る香。

ばったりとシングルベッドに倒れこむ。

ノーパンかつパジャマの上だけ羽織った状態で、

一緒に抱えていた衣類も布団の上に散らばる。



「はぁ…。」



顔を赤くして、漏れ出る溜息に脱力する。

オトコと体の関係を持つことが、どんなことなのか、

全く分からなかったという訳ではない。



おぼろげながら、人間の交尾についても、

高校の保健体育で習ったこととや、たまに見るファッション誌に、

撩の愛読書がいやでも目に入る中で、

なんとなくのレベルで知っていることにしていた。



しかし、撩との関係が変わってから、

自分の持っている情報は、無用なくらい役には立たず、

常に撩に翻弄されっぱなし。

しかも、日用品の買い足しや、光熱費、

生活リズムへの影響まで出てくるとは

完全に予想の範疇外。

この状況に、まだ気分が追いつかないまま、

撩と一緒に寝床を共にすることがすでに日常化している。



「……一応、……ゴミ出しの確認は、……してくれてたん、だ。」



目を閉じたままで、また息をはぁと吐き出す。

確かに、1階駐車場には溜まっていなかったし、

キッチンの隅に置くことがある不燃ごみも今回は極少量だったので、

それをちゃんとチェックしての行動だったのは分かるのだが…。



「物置に一杯たまってたんだからぁ…。」



せっかく、目覚ましをセットしたのに、

そのまま昼になってしまったショックは隠しきれなかった。



「さ、さむ…。」



自分がパジャマの上だけしか着ていないことを思い出す。

とりあず、熱いシャワーだけ浴びて早く昼食の準備をしなければと、

タンスから着替えを選び出す。

今晩は、冗談抜きで自分の部屋で寝なければと

心を固めるも、昨日のセリフが蘇る。



— 夜這いに行っちゃうよ — 



あのオトコのこと。

きっと、来る。

あれだけ散々もっこりしないとか言い続けておきながら、

ターゲットが自分になってしまったこのどうしようもない複雑な心境も

当分とれそうにない。



「もう、どうしよう…。」



香は、潰れた午前中を取り戻すため

午後のスケジュールを思い浮かべながら、

すぐ隣りの浴室に向かった。



脱かごに持って来た衣類を入れると、

とりあえずまとっているものを一つ一つ脱いでいく。



ほんのり残るエロイカの『お姉さん』たちに見られてしまったあの痕跡に、

そっと指を這わす。

「だいぶ薄くなった、かな…、って、ええ?!」

目に留まった真新しい吸引の痕に目を開く。

「こ、こんなところにもっ!」

確かに襟首から見える可能性がある場所は避けられているも、

脇の下と乳房の間に集中して華が残されている。

腕を持ち上げ覗き見るも、さらに二の腕の裏や

脇腹に、へそ周りに、腿の付け根にと、既存していたものの上に

重ね塗りをされている。



「な、なんであたしばっかりつけられちゃうのよぉ〜。」

と、思わず声が出たところで、はっとする。

(あ、あたしが、りょ、りょ、撩に、……きっ、きっ、きっす、まままままーく、なななんて、

ははは恥ずかしすすすぎて、できる、わわわけななないじゃないっっ!)

想像しただけで、頭部が噴火。



「ばっ、ばかっ!」



耳からぷすぷすと湯気を上げながら、タオルを手に取ると

ぎくしゃくした足取りで浴室に入って行く香であった。


***********************************
(3)へつづく。





ヤツにつけられそうな場所はかなり限定されそ…。

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きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
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十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
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