21-07 What Would Do ?

第21部 Invasion Of A Novelist

奥多摩湖畔から11日目


(7) What Would Do ? *****************************************************1268文字くらい



「わっ、ここにいたの?」



キッチンの扉を開けた香は、

白木のテーブルに両手で頬杖をついてぶすっとしてる撩に

驚きの声を出した。

目視で食事をちゃんと済ませていることを確認するも、

すでに食器かごの中が全て食器棚に戻されていることに、

さらに驚く。

撩の脇には、使っていたと思われる自分のエプロンが投げられている。



「あ、洗ってくれたんだ…。あり」

「おまぁ、なんでこんなことになったんだ?」

「え?」

食器を片付けてくれた礼の言葉は、機嫌が悪そうな撩の台詞で遮られる。

唯香のことを差しているのは香でもすぐに分かった。



「あ、…その、

途中でばったりと会っちゃって、……ほ、ほら!1年ぶりだし、

唯香ちゃん、今日学校早く終わって、こっちにこようって思ってたらしくて、

そ、それで、た、立ち話しも何だからって…」

別に悪い事をしてしまった訳ではないが、よく分からない罪悪感を抱えながら

しどろもどろで理由を話す香。

「で、侵入成功ってワケか。」

ぐてぇーとテーブルに伸びる撩。

「俺、上にいるわ…。」

「え?だって、唯香ちゃん、あんたにも会いたがっているのよ。」

「おまぁ、唯香の本業忘れたわけじゃあないよな?」

「う…。」



言わんとすることは分かる。

あの時と同じように、根掘り葉掘り質問攻撃されることは目に見えている。

とりあえず、香はこめかみにつつっと汗を一筋たらしながら、

飲み物の準備をした。

「たぶん、麗香や冴子に色々聞いてんだぜ。」

自分の腕を枕にして上体を倒したまま、ふーと細く息を吐き出す。

耳に届くかちゃかちゃとグラスが鳴る音。

「……ど、どうしよう。」

香は眉尻が下がったまま冷蔵庫を開ける。



関係が変わったことを隠し誤摩化し通すか、

正直に白状するか、

どちらも苦問である。

しかし、さっきの外での彼女とのやりとりで、

もうあらたかたバレていることを思い出す。



「さっき、おめでとうございますって言われちゃった…。」

「ああ?」

「で、でも!わ、わかんないのよ、唯香ちゃんがどこまで知っているのかはっ。」

林檎色の頬で、リンゴジュースをグラスに注ぐ香。

待たせると悪いので、コーヒーの準備は見送って

3人とも同じ飲み物にする。



「……認めたら認めたで、速攻で小説のネタにされるの間違いなし、だな。」

「うっ、…そ、それはダメ、だわ。」

お茶うけがわりのクッキー缶を開ける手が止まる。

「黙秘。」

「たぶん、それもダメっぽい。」

溜め息をつきながら、器に菓子を移す香。

「だって、撩の通っているお店では、もう知られちゃっているんでしょ?

きっと唯香ちゃんも、そのうち情報をキャッチしちゃうわよ。」

「うぅ〜。」

「とりあえず、あたしリビングに行くから。」

ひょいとグラスとクッキーが乗ったトレーを持ちキッチンを出ようとする。

廊下に一歩出たところで、あっと振り向いた。

「来るんだったら、ちゃんとヒゲそった方がいいわよ。寝癖もついたまんまだし。」

「あーん?」



撩は、突っ伏したまま香の背中を見送り、

跳ねた髪の毛をぐしゃぐしゃとかき回した。


***********************************
(8)へつづく。





お二人さん、どうする?
しおりちゃんが、フライングハンマーアタックをした時、
確かジュースをみんなに出していましたので、
ここでも甘い飲み物を用意させちゃいました。

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シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


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ホトトギスの英名。
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