04-01 Flower Shop (side Ryo)

第4部 Report(全10回)

奥多摩翌日の夕方から夜


(1)Flower Shop (side Ryo)*******************************************************1210文字くらい



途中の幹線道路沿いにある花屋へ寄るため、

クーパーを車道脇に寄せてしばしの路駐。

「あたし行ってくるから、撩は待ってて。」

このような場所は、

どちらか車内に残っていないと何かとまずいので、

とりあえず言われた通りに待機。

「りょーかい。」



香は、一つ一つの動きがいつもよりも1.5倍ほど時間がかかっているようだ。

特に腰から下の動きがスムーズでないことは伺える。



ごまかしても分かるっつーのに…。



助手席から降りると目的地へ真っすぐと向かう香。

右肘を窓枠にかけ、助手席の窓越しに何気なくその後ろ姿を目で追う。



はぁ、俺も重症だな。



普段の生活の中で、香が花屋にいるところを、

こう近くで見られることはあまりなかった。

あっても、ナンパをタテマエに遠目からでしか伺えなかったシーンがそばにあることに、

どこかしら新鮮な感覚を呼ぶ。



そのせいか、店内で花に囲まれている香の姿が、そのまま額縁に縁取られ、

どこかの修道院か何かに飾られるような油絵の幻影が重なった。

槇村を思い浮かべながら、花を選ぶ香は、

そんな視線が送られているとは知らずに、

選択に迷っている模様。

店員の女性と相談中のようだ。



店の前を行き交う通行人の成人男性共が、

視界に入った香に気付いて、歩みを遅くする場面もちらほら。



じろじろ眺めてんじゃねぇーよ。



ちょっと苛つく自分に、どこまで惚れてんだか、と半ば呆れる。

レジで会計とラッピングを待つ香が俺の方を向いて、

手を合わせ、眉をハの字にし、ウインクで謝る。



遅くなってごめんという合図か。

あいつ分かってんのかねぇ、

その仕草が周りの雄共を喜ばせてるってことを。



ハンドルに腕を組んで寄りかかり、目だけで早くしろよと訴えてみる。

冗談抜きで、暗くなっちまうぞ。



花束を抱えた香が戻ってくる。

かさっと後部座席に花を横倒しに置き、自分も指定席に乗り込んだ。

「おまたせ。遅くなってごめんね。」

「んじゃ、出るぞ。」

右にウインカーを出して、再出発。

ちょっと離れただけなのに、イライラと心配。

戻ってきたとたんに感じる安心感。

まったく、どこまでヘタレなんだか…。



「わぁ、もう西の空が染まってる。」

「ちょっと急ぐか。」

かつて海坊主とマジな決闘をした場所であり、

香の実の姉のさゆりさんと初めて出会った場所でもある、

槇村の眠る外国人墓地を目指した。

車内に花束の醸し出す芳香がかすかに漂う。

ちらっと、ルームミラーでその存在を確認すると、

3種類ほどが形良く束ねてある。

香の後ろ姿しか見ていなかったので、

店員との会話は読み取れなかったが、

なんとなく選ぶのに時間がかかった訳が分かった気がした。



「後ろの花、店員さんの勧め?」

何気なく聞いてみる。

「うん、本当はクチナシを加えたいってお店の人言ってたけど、

季節が違うんだって。」

このくだりで、納得。

「ふーん。」

ここはまだ、気付かないふりをしておこうか。


***********************************
(2)へつづく。





という訳で第4部スタートです。
まずは槇ちゃんのお墓参り。
花言葉&誕生花は、言ったもん勝ち。
国ごとに、あるいは出所がよぉ分からんのも含めて、
一つの花に複数の花言葉が使われていますが、
CHでもAHでもアニメでも花の描写が折々にあるので、
こちらでも演出に使わせてもらっていま〜す。
しかし、AHの植物の使い方は、各論的には丁寧に描かれていますが、
ツッコミどころが多くてねぇ〜。
まぁ、グチはよそで吐こう。

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プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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