05-10 Rioja

第5部 Professor’s House  

奥多摩から2日目


(10)Rioja **********************************************************************1968文字くらい




「みなさん、おまたせ!香さんこれお願いね。」

かずえと香は、手際良くワゴンに乗っているものを

テーブルに移していく。



2本のワインのボトルが目に入った撩は、

頬杖をしたまま少し眉を上げた。

「まぁ〜た成金趣味のようなもんを…。」

半ば呆れ口調であったが、目は嬉しそうだ。

「なぁに、ちょいとした頂き物じゃよ。」

教授は涼しい顔で返す。



ミックは、手をついてガタッと席を立ち、喜びを素直に出す。

「Wow! We are lucky so mauch! オレ久しぶりだぜ!」

かずえが制すように言う。

「ミック、先にリオハよ。」

「まぁ、順番はそうだろうな。」

撩も賛同する。



ラベルが読めない香とファルコンは、

イマイチ話しについて行けない。

キュポンッと心地良い音が食堂に響く。

かずえが、まずリオハと呼ばれるボトルを開けた。

7つのワイングラスに順についでいく。



「これは、私が勝手に選んだんだけど、

カレーに合うって言われてるスペインのワインなの。」

「ほぅ。」

ファルコンが腕を組んだまま短く呟いた。

「『コレ』の前に、一度違うお酒で仕切り直ししたほうがいいかと思って。」

かずえの説明に、香はまだピンとこない。

「なるほどね。」

「ほほ、かずえ君も色々考えておるの。」

撩と教授は合点したようだ。



注ぎ終わると、かずえは教授に視線を流した。

「乾杯は教授にお任せしますわ。」

「なんじゃ、ワシか。」

ミックも促す。

「もちろん、この中で最年長ですからね。」

「まぁ、若いお前さんたちの未来を祝して、乾杯といくかの。」

穏やかに微笑む教授の口調は、その言葉に飾りがないことを伝えるには十分だった。

「乾杯!」

「乾杯!」

チンといくつかのグラスの当たる音が響く。



撩はくっと一気に喉に流した。

「撩よ。もう少し味わって飲まんか。」

教授は苦笑する。

「わぁ、いい香り!」

美樹が、飲む前にグラスに鼻を近づけて深く吸い込んだ。



「リオハ、スペインの代表的な高級ワインさ。」

ミックがここぞとばかりに蘊蓄(うんちく)を垂れ出す。

「バンダローサ、辛口のロゼ。

確かにさっきの本格カレーの後では、

普通のワインではぶつかって壊れることが多いけど、

これは違和感なく、口の中が流されるね。」



香も感心しながら、ちびちびと味わう。

「私もカレーの後にワインなんて考えたこともなっかったけど、

相性が合うのがちゃんとあるのね。美味しいわ。」

美樹が左手でワイングラスを揺らしながら口を開く。

「ワインもそうだけど、

日本酒にしても、ウィスキーにしても、ビールにしても、

お酒ってもの凄い種類があるでしょ。

それに、それぞれ互いを引き立てる料理とお酒の組み合せって、

それこそ運命的な出会いよね。」



かずえも頷く。

「そうよねぇ。そもそも、塩ゆでした枝豆とビールの組み合せなんて、

元はドイツと日本の食の組み合せだものね。」

ミックがグラスに口をつけながらニヤリと笑う。

「ふっ、人の出会いも似たようなもんだな。

互いを引き立てる運命的な出会いってさ。」

「あら、ミック、言うじゃない。」

照れもせずにかずえがさらりと答える。

香は『運命』という単語に妙に反応して、

またほんのり赤らんできた。



「ファルコン、私たちもほんと運命的な出会いだったわよねぇ。」

美樹がファルコンに寄り掛かりながら見上げる。

「んなっ、な、なにを、そんなっ、きゅ、急にっ!」

ぶわっと赤面するファルコンを撩はからかう。

「まぁた茹で蛸になってるぜ。」

「あら、冴羽さん、からかう前に、

あなた私たちをまとめてくれた重要な役割を担ったこと忘れたの?」

「へ?」

美樹は意味深な表情で続けた。



「私とファルコンが、こうして一緒に過ごせるのも、

あの時、冴羽さんと香さんが協力してくれたお陰なのよ。」

「あ、あの時って…。」

香は、ファルコンの別宅で決闘をした2人を思い出した。



「冴羽さん、あの時よく実弾とペイント弾をすり替えられたものよね。

3年前の春の出来事が鮮明に蘇る。

「今でも不思議だわ。まるで手品としか思えなかったくらい。

私が持っていた銃からもいつのまにか弾を抜いちゃうし。」

「美樹ちゅわん、な〜に古い話し持ち出してんのぉ。」

撩は、蒸し返された過去の話題に少したじろぐ。



「ほほ、何があったかは詳しくは分からんがの、

撩の指さばきは、プロのスリや手品師より更に上じゃ。

みなも注意しておいたほうがよいぞ。」

「教授、それいらないアドバイスっす。」

不機嫌そうにカナッペを頬張る撩に、美樹はクスリと笑う。



「冴羽さん、香さん、本当にありがとう。……今度は、あなたたちの番よ。」

あの控え室で香に伝えた言葉を再度紡ぐ美樹。

「え?」

「は?」

撩と香は、同時にきょとんとする。



「そうね、じゃあ祝福のために真打ちのワインを開けましょうか。」

かずえはそんな二人を横目にくすりと微笑みながら、

ボトルを両手で持ち上げた。

「真打ちねぇ…。」

撩はまた頬杖をついて、口角をくっと上げた。


*********************************************************
(11)へつづく。




えーえー、飲んだことはございませんですよぉ〜。
ネットの情報の切り貼りでございますっ!
てか、うちはプライベートでは
殆どお酒を飲まんので、
頂いたお酒も料理に使うのが精一杯。
学生時代は、よくサークルの仲間と飲みに行きましたがのう〜。
でも、先日「WILD TURKEY」買っちゃった〜。
当分飾りかなぁ〜。
さて、真打ちのワインとは?


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プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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