06-12 Join & Break Up

第6部 A Day Of Ryo & Kaori 

奥多摩から3日目


(12)Join & Break Up  ********************************************************* 2889文字くらい



美樹と香は、キッチンでハーブティーをたしなんでいた。

「これ、かずえさんが息抜きに飲んでって言ってたお茶なの。」

洗髪後、二人は一息つくためとおしゃべりタイムを楽しむために、

テーブルのコーナを挟んで座り歓談中。



「えーと、カモミールとレモングラスとジャスミンと、

あとハイビスカスのブレンドみたい。」

香はパッケージを見ながら説明した。

「あー、リラックス効果と疲労回復にいいものばかりかも!」

「うん、なんか酸味と甘みが両方いい感じね。」

「お店でも出してみようかしら?」

美樹もパッケージを手にとってまじまじと眺める。

「あ、それいいかも!」

「ケーキセットと一緒に出してもいいかもね。」



そんなやりとりをしていたら、屋敷の玄関先で賑やかな気配がした。

「あら、ファルコンと冴羽さん、戻ってきたみたいよ。」

「まったく、あやつらには、警報装置は役に立たんのう。」

教授が廊下を歩きながらぶつくさ呟くのが2人の耳に入る。

香は、ふと時計を見た。

(この時間に戻ってきてくれたんだったら、今日中には家に戻れそうね。)



何やら会話を交わすいくつかの言葉が

やや離れたところから二人に聞こえてくるが、

撩もファルコンもなかなか中へ入ってこない。



「何かトラブルでもあったのかしら?」

ちょっと心配になって立ち上がろうとする香。

「どうやらミックとかずえさんも合流したみたいよ。」

声を聞き分けた美樹が落ち着いて言った。

「みんな帰ってきたのね。じゃあ、コーヒーでも煎れようかしら。」

香は、ポットの湯の量を確認して、カップを用意し始めた。



「あぁ、手伝うわ。」

自分のケガのことを忘れて美樹は砂糖やスプーンを探そうとしたが、

香に慌てて止められた。

「ああっ!だめだめっ!美樹さんは座っててっ!」

「はいはい、分かったわ。

あまりにも薬が良く効いているから肩のこと忘れてたわ。」



体を銃弾が突き抜けたとは思えないくらいの回復ぶりに、

つい香も普通通りにキャッツでの会話と同じような錯覚に陥っていた。

ここに今自分がいるのは、美樹さんの一刻も早い退院のためと、

二人で笑い合いながら改めて心の中で言い聞かせた。



香は、豆を挽きなが玄関先で交わされる5人のやりとりに

耳を済ませていたが、まったく聞き取れない。

「あ、食堂の方にみんな行くみたいよ。」

気配を読んだ美樹が顔をそちらに向けた。

「じゃあ、向こうに運ぼうかしら。」

5人分のカップをお盆に乗せ、

早く撩の姿を確認したいと逸る気持ちを抑えながら、

美樹と一緒にみなのところへ合流した。



「ファルコン、冴羽さん、おかえりなさい!」

「お、お前、あ、あ、あんまり出歩くんじゃないっ!」

平気でうろついている美樹にファルコンは注意した。

「ごめんなさい。香さんに髪の毛洗ってもらって、ちょっとお茶してたの。」

「香、すまなかったな。」

感謝しつつすまなそうにしているファルコンに、香は逆に照れくさくなった。

「そんな、気にしないで…。って、撩も海坊主さんもなんで作業着なの?」

「あー、変装だ、変装。」

撩が面倒臭そうに答える。



「ほほ、二人で色々イタズラをしてきたようじゃぞ。」

「かずえさんも、ミックもお疲れさま。」

「ちょうど、みんな同じ時間に戻ってこれて、色々と打合せができたよ。カオリ。」

さっき、玄関先でなにやら時間がかかっていたのは、それだったのかと、

香は合点した。

「とりあえず、コーヒーでも飲んで一服しましょ。」

香は、テーブルにそれぞれのカップを並べた。



「かおりさん、今日もありがとう。明日も、夕方からお願いするわ。」

かずえが、日程の確認を告げた。

「わかったわ。かずえさんも、実験で大変だと思うけど、無理しないでね。」

「香さんもね。」

お互い労(ねぎら)いの言葉を交わす。



「明日の動きは、さっき話したとおりじゃが、他に確認することはないかの。」

教授がコーヒーをずずっとすすりながら、伏せ目で言った。

「No probulem!proffesor、全て順調です。」

ミックは自信満々の笑顔で答える。

「んじゃ、コーヒー飲んだらさっさと帰るか。香、おまぁ、もう出れるの?」

「あ、うん。あとは食器を片付けるだけ。」

「あら、香さん、この後のことは大丈夫よ。」

かずえがすかさず言った。

「で、でも。」

「いいから、気にしないで。」

意味ありげにウィンクをして香の帰宅を促す。



「……じゃあ、お言葉に甘えて今日は帰らせて頂くわ。」

香は残りのコーヒーをすすり、カップを置くと、

少し申し訳なさそうな表情で、

ファルコンと美樹とかずえとに目を向けた。

「それじゃ、また明日ね。」

「ええ、またメモ書きを用意しておくから。」

かずえの指示書があることで、香も随分助かっているので、

その一言で安心感が湧いて来る。



「香さん、ありがと。」

美樹も見送りながら礼を告げる。

「か、香、む、む、無理するんじゃないぞ。」

ファルコンがどもりながら感謝の代わりに言った。

「それは、美樹さんに言わなきゃ。」

ちらっと香は美樹のほうを見て、視線が合った二人はまたクスクスと微笑んだ。

「そんじゃま、お先ぃ〜。」

とっくにコーヒーを空にした撩は、先に玄関へ向かおうとした。

「おい!リョウ!カオリに無理させんなよっ!」



がしゃんっ!!!



撩の顔半分が入り口のドアに激しく接触。

「ってぇ〜。」

偶然にも一昨日美樹から言われた全く同じセリフをミックも発した。

「ミック、うるせぇぞ!」

首だけ振り返ってミックをじろりと睨む撩。



どうにでも取れるこのセリフは、まだ香にはピンとこなかったようだ。

「え?あたしは大丈夫よ?」

この天然な反応に一同、溜め息をついた。

「さ、行くぞ!香!」

多少苛ついている撩を怪訝な表情で暫し見つめたが、

とりあえず慌ててハンドバックを持って後を追った。

「それじゃ、また!」



「ほほほ、若いことはいいことじゃのう。」

見送る視線はにやつきながら、教授は指を後ろ手に組んで書斎へ向かった。

「カズエ、俺は今日ここに泊まっていくよ。」

「うれしいわ。」

「あー、お、俺は一旦店に戻る。美樹を頼む。」

「ファルコン、あたしは大丈夫よ。」

美樹はファルコンにすりよってきた。

「明日本番でしょ。あなたこそ無理しないでね。」

ぼしゅっと沸騰する音を聞きながら、ミックとかずえは負けじと肩を寄せ合う。

「じゃあな、ファルコン、俺たちはもう引っ込むぜ。」

「美樹さん、おやすみなさい。」

「おやすみなさ〜い。」

かずえは、人数分のコーヒーカップが乗ったワゴンキャリアーを押しながら、

そう言うと、

ミックの腕がかずえの腰にまわされ、そのまま2人は奥の台所に消えていった。



「ファルコン、やっぱりあなたも泊まってく?」

「っば、ば、…お、俺は明日の準備が、あ、あるからな!」

茹で蛸になりながら、そっぽを向く。

「と、とにかくお前は早く休め。そして傷を一日でも早く治すんだ!」

「もちろんよ。」

「じゃ、じゃあ、行くぞ!」

「おやすみ、ファルコン。」

美樹は左手でファルコンの右手をとって指に軽く唇をつけた。

どかん!と頭部が爆発する音がミックのところまで聞こえたが、

あえて気にしないことにして、かずえとの時間を優先した。

どこかしら、ずたぼろになったファルコンは、

よろよろとしながら教授宅を後にしたのであった。


*******************************
(13)へつづく。





教授宅の通い2日目はこうして終了〜。
この数年、お茶コレクションなんぞも始めてしまって、
クマザサ茶、ツユクサ茶、アケビ茶、ビワの葉茶とズバリ種名が
明示されている商品を買い集めてはパッケージをキープ。
しかし、キャッツにはちょっと田舎臭過ぎるかぁ?と
セーブしてオシャレハーブティーを二人に
飲ませてみました〜。
今晩はハイビスカスティーでも飲んでみっか。
(買い過ぎてよりどりみどり〜)
この4日間でイベント5連チャン。
アラフォーにはちと辛いぜ…。
CHで気力体力を回復させねばっ。

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プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
丑年といえば年がばれるか?


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