08-01 The Fourth Day Morning (side Ryo)

第8部   Oi Wharf (全17回) 

奥多摩から4日目


(1)The Fourth Day Morning (side Ryo) ******************************************2932文字くらい



結局、香はあれからぐっずりと寝込んでしまい、

朝日が拝める時間となった。



まだ2回、されど2回。

香と一緒に朝を迎えられること、4回。



あれだけ、迷っていたのに。

身を繋げる直前まで、躊躇(ためら)っていたのに。

いざ一線を越えてしまってからの、この自身の変わり様は、

自分でも笑い飛ばしたくなる。



夕べは、きつく締まっていく香の中に、自分の想いを注いだ後も、

しばらくは、そのまま香を横抱きにし体を合せたままでいた。

やや乱れた息使いが落ち着くまで、と思ったが、

離れ難い思いが勝ってしまい、体を動かせずにいた。



2ラウンド目を欲する息子を押さえに押さえ、

ただじっと繫がったまま。

その間に香の中が蠢くのを感じながら、

何度も襲いかかって来る甘い衝動を受け流し、

自分の命と同等ともそれ以上とも言える存在を愛おしく抱きしめ続けた。



揺すったり、頬を叩いたりして、

香を起してもよかったのだが、

そのままにしてやりたいと素直に思った。



この2回で、自分がいかに香に溺れきっているかを、

思い知らされる。

もっと抱きたい、もっと感じたい。

触れれば触れる程に、その欲求は膨らむばかり。

一人の女に、こんな感情が生まれるなんて、今でも信じ難い。



どれくらい時間が過ぎたか、

さすがに、長く入れっぱなしだと、そのまま朝もっこに移行しかねないので、

いたしかたなく、そっと香から身を引いた。

離したくない、そんな思いと闘うこと数十秒。

甘美な抵抗のある体内からソレを完全に抜いた後、

香の体を用意したティッシュで丁寧に清める。



出血はない。

少しほっとする。

額の汗も乾きかけていたが、新しいティッシュで一緒に拭ってやる。

自分の左手も愛液まみれのままだったので、それも拭き取っておく。

香る匂いに、また背筋に糖度を伴った痺れが走る。



しかし、とにかく香に無理はさせたくない。

くったりと横になっている姿を目にすることで、なんとか鎮火する。

処理を終えた後、また香を抱き直して、

すー、すーと聞こえる寝息にくすぐったい幸福感を覚える。



右肩口を枕代わりにさせ、

髪を撫でながら、鼻先も柔らかいくせ毛に埋め、背中をしっかりと支えた。



「ありがとな…。」



香が寝ているからこそ、素直に出てくる感謝の意。

俺を受け入れてくれて、俺と出会ってくれて。

ふぅと目を閉じ、そのまままどろむことにした。






そして、迎えた朝。

いつもなら、香はすでに起きている時間だ。

しかし、まだ目覚める気配はない。



初心者にとって俺の相手は相当な負担なんだろう。

それとも感じやすい敏感な体に、

俺が多くの刺激を与え過ぎて、疲れさせてしまっているのか。

その両方かもしれないが、

次からは寝ちまっても起しちまうかもしれない。

意識のない女を抱く趣味はない。

相手の反応があってこそ。

香相手なら、なおさらだ。



先に起き上がって、飯の準備でもしようかと迷ったが、

香の目が覚めた時に、やはり傍にいたいと思い、

そのまま抱き込んで朝の惰眠を選ぶことにした。






暫くして、いい加減俺も腹が減ってきた頃、

腕の中の香がふるっと身震いをした。

そろそろ起きるか?

さて、今回はどんな反応を見せることやら。

狸寝入りをしてもいいが、

今回は謝っておかなきゃならないことがある。

覚醒する気配を醸し出している香の髪を撫でながら、

その瞼が開くのを待つ。



わずかに長い睫毛が揺れたかと思ったら、

ぱちっと目が開いた。

明るい栗色の虹彩が鮮やかだ。

同時に、黒い瞳孔がきゅうっと絞られていくのが見える。



「…まぶ、し…。」



ブラインド越しに陽がまともに顔に当たり、

眉間に浅い皺を寄せて、いったん目を閉じたが、

はっと息を飲む音と一緒に再び見開いた。

髪を撫でる左手をとめて、頬を包んだ。

香の視線が上を向く。

カチリと目が合い、香は瞬時に全身が沸騰した。



「おい、おい、大丈夫か?」



おはようと、言い出す前に、香の瞬発的変化に驚かされ、

出て来る言葉が変わってしまった。

お互い素っ裸でくっついているから、

直で上昇中の体温を感じる。

まるでインフルエンザにかかった時のような高熱に、

本気で慌ててしまった。



俺はくすりと笑いながら、香を抱き込んで、ぽんぽんと背中を叩いた。

「ったく、一体いつになったら、慣れんのかねぇ。」

少しずつ落ち着いていく心拍。

「……当分、無理…。」

暫くして小さく聞こえた香の声に、ちょっと意地悪したくなった。

「当分って?」

香は俯いたまま小声で返事をする。

「……当分って言ったら、…当分っ。」

あまりにも可愛らしい言動に、俺も本音がぽろりと零れる。



「……俺も、そうかも、な…。」

「………ぅ、そ、……撩は、…こんなの、慣れっこなんでしょ?」

掠れ声で言い返して来る香の声で、

思っていたことが声になって出てしまっていたことに気付いた。

またやってしまった、と思いつつ、包み隠さず伝えることにする。



「……嘘じゃないさ。」

香の髪に指を深く絡ませる。

「……一緒にそのまま寝ちまったのは、お前だけだよ。」

「え?」

「だからぁ〜、撩ちゃんもこうして朝を迎えるのは慣れてないのぉ〜。」

照れ隠しにおふざけモードでちゅうを迫ってみる。

スコンッと1tハンマーが顎に当たる。

「って!」

「も、もう!朝からスケベ顔で迫ってこないで!」



よしよし、元気はよさそうだ。

体調確認も兼ねてハンマーを出させたが、

また香が赤くなって、困惑した表情になった。

「ぁっ」

小さく声を出す。



「…どうかしたか?」

「……ぁ、ぁの、ね…。」

説明するのにかなり躊躇しているようだ。

「なんだ?」

「……、ぁの、い、今のハンマーで、お、お腹に、力入れたら、

そ、その、りょ…のが、少し、で、でちゃった、みたい……。」

もじもじしながら、香は心底恥ずかしそうに説明した。

「あぁ、悪かった。」

ティッシュをパスパスと抜いて渡そうとした。

「拭いてやろうか?俺のせいだし。」

「いいいいいっ、いい!自分でする!」

手と顔を力一杯横に振って拒否のジェスチャー。

ティッシュを受け取った香は、ちらっと俺を見た。



「りょ、撩…。ちょっと…、むこう、向いててくれる?」

上目使いでお願いされたら断れないだろ。

「今更恥ずかしがることないだろ?」

「お、お願いだからっ!」

「へいへい。」

俺は、クスクスと笑いながら、左肘で腕を立て、頭を支えた姿勢で

ごろんと香に背中を向けて転がった。

「こ、こっち見ないでよ。」

「へいへい。」



香は、用心深く横になったまま布団の中で、

出て来た残渣を拭き取っているようだ。

「ひゃあ。」

「どうした?」

振り返ろうとしたが、またミニハンマーが飛んで来た。

「がっ!」

「こ、こっち向いちゃだめ!」

たぶん、量が多くてびっくりしてんだろうな。

最初の時は、俺が出来るだけ中まで拭き取っていたが、

今回は横着して外だけしか拭っていなかったからなぁ。

片付ける気配がしたので声をかけた。



「終わったか?」

「…ぅん。」

寝返ると、まだ真っ赤なままの香が

薄い掛け布団をしっかり纏って顔半分だけ出していた。

布団はじゃまだとばかりに、めくりとって香の柔らかい裸体を抱き直す。

「きゃあっ。」

短い悲鳴は無視して香の体温と香りを力一杯吸い込む。



俺は、香が寝ちまって、言えなかったこと、

つまりは、コトが終わった後に、すぐ謝るべきだったことを

伝えることにした。


****************************************
(2)につづく。





ヤっちゃった後としては、
2回目の目覚めでございます。
撩ちん何を言う気でしょうかぁ〜。
という訳で、第8部、奥多摩から4日目がスタートですが、
今回は全17回っ!
1ヶ月以上かかるやんけ〜。
すいません…、ベッドでの会話とお仕事シーンが長くなりそうで…。
気長にお付き合い頂ければと思いますぅ〜。

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プロフィール

きまりも

Author:きまりも
since 2012.03.31.


5周年記念に
プロフ画像を貼ってみた。
十波ちゃん作。


中学高校時代に読んでいた
シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


ブログのタイトルは
ホトトギスの英名。
基本カオリストです。
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