08-08 Miki & Ryo

第8部 Oi Wharf 

奥多摩から4日目


(8)Miki & Ryo  *****************************************************************1293文字くらい



2人は、伝言板を見てから教授宅へ到着した。

香はかずえと一緒にさっそく夕食作りへ。

ミックと教授は、書斎で打合せ中。

撩は、美樹のいる部屋へ向かい、

少しでも安心させるために中間報告を伝えに行った。



「あれ?タコはまだ来てないの?」

美樹の病室に入った撩はあたりを見回した。

気配がなかったので、隠れているかと思いきや、

ヤツが隠れられる場所はここにはないかと、椅子に腰を降ろす。

ベッドの上で上半身を起した美樹はくすりと微笑んだ。



「ええ、お店でまだすることがあるって、たぶんもうすぐ来ると思うわ。」

「あいつから、今日の詳しいことは聞いてる?」

「ええ、だいたいね。」

「じゃあ、細かい説明はいっか。」

「え?」

「美樹ちゃんが心配しないように、

今晩の仕事の簡単さを教えに来たんだけどねぇ〜。」

「大丈夫よ、大まかなことは把握しているわ。冴羽さんも気をつけてね。」

「なーに、軽い仕事さ。」

「冴羽さん、ありがと。ファルコンもきっと心強いと思うわ。」

「香も着いて行きたがっているし、美樹ちゃんもそうだろうけど。

余計な心配しなくていいから。

教授もミックも上手に動いてくれているし。

みんなで安心して待っててくれ。」



美樹はふぅと息をつく。

「っほんと、こんな時に身動きできないなんて、悔しいったらないけど、

冴羽さんがついてくれるんだったら、とっても安心だわ。」

「美樹ちゃんのためならお安いこって。」

「あたしじゃなくて、香さんのためでしょ?」

「へ?」

にやりと微笑みをよこす美樹に、撩は言葉が詰まった。



「な、なぁーに言ってるのかなぁ?美樹ちゅあ〜ん。」

「ごめんなさいね、冴羽さん。……あなたたちの好意に甘えっぱなしで。

こんな時に、香さんをあなたから取り上げちゃって、申し訳ないわ。」

ダイレクトな表現に撩は、らしくもなくうろたえた。

「みみみみ美樹ちゃんっ、

謝るのは、なしって、この前言ってただろ?

そ、それにっ、美樹ちゃんだって、ハネムーンもなしで放ったらかしだろ?」

思わず早口でツバが飛ぶ。



「くくくっ!あーおっかし。冴羽さんがそんな反応するなんて、

滅多に見られないわぁ。」

美樹はふっと表情を戻して、撩に視線を送った。

「香さんのためにも、無事2人で帰ってきてね。」

撩は、口角をくっと上げてゆっくり立ち上がった。

「心配無用!じゃ、またメシん時にな。教授んとこ行ってくるわ。」

片手をひらひらさせながら、美樹の部屋を出て行った。



美樹は、今回の依頼がそう簡単な仕事ではないことも、

ファルコンの仕事を撩が手伝ってくれているのも、

ファルコンと自分が早く一緒に過ごせるように配慮していることも、

香の教授宅通いを早めに切り上げさせたい思いがあることも、

全てを承知していた。



せっかく、そしてようやくお互いの気持ちを通わせた直後だというのに、

この慌ただしさに巻き込んでしまい、

申し訳ない思いはどうしても拭えないが、

これが自分たちの住んでいる世界なのだと、

暗黙の了解を再確認する。



「ファルコン…、無事に戻ってきてね。」



美樹は夕暮れに染まる窓際を見つめながら、

食事の時間を待つことにした。


****************************************
(9)へつづく。





美樹ちゃんも、なにもかもお見通しぃ〜。

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ホトトギスの英名。
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