08-10 Coffee Break

第8部 Oi Wharf 

奥多摩から4日目


(10) Coffee Break *************************************************************1670文字くらい



「教授、どうぞ。」

かずえから差し出されるミルクの入ったコーヒーを受け取った教授は、

目を細くして香りと味を楽しんだ。

「撩と海坊主さんはブラックね。」

香は別のトレーをもって席をまわった。

「ああ、サンキュ。」

かずえとミックはカフェオレで、

香は砂糖入りのコーヒ、

美樹はレモングラスティーでそれぞれ食後の余韻を味わう。



「撩、ここを出る時間は9時じゃったかのう?」

カップに口をつけながら、教授は目だけ撩のほうを向けた。

「はい、それでもゆとりがありすぎると思いますが。」

余裕を見せる撩。

「まぁ、たいして時間はないが、それまでのんびりしていくがよい。」

「教授、あとは打合せ通りにお願いします。」

「まぁ、心配するな。」

ミックが口をはさんだ。

「万事良好だ。」

「すまんな、ミック。」

ファルコンも今回のミックと教授の参戦で、

予想以上の結果を得られる予感がしていた。



「さてと、香さん、

私は今からちょっとだけ大学に戻って残ってる用事を済ませてくるわ。」

かずえが立ち上がった。

「あら、もうそんな時間?」

「申し訳ないけど、片付けだけお願いしてもいいかしら?」

「もちろん。」

「たぶん日付が変わる前には戻って来れると思うわ。」

「リョウたちが先かカズエが先か、いい勝負だな。待ってるよハニー。」

ミックが頬杖をつき、にやつきながら、カップをすすった。

「…ばか、じゃあ、行ってきます。

心配はないと思うけど、冴羽さん、海坊主さん、気をつけてね。」

「かずえちゃんも、無理すんなよぉー。」

かずえは、撩の軽い口調の送り出しに少し微笑んで、

自分のカップとソーサーを持って食堂を出ると、

裏口から教授宅を後にした。



「じゃあ、俺と教授はパソコンの前で待機してる。

タイミングがいい時に、例の情報を発信するよ。」

「ああ、頼む。」

「撩よ、見送りはせんからな。」

細い目でニヤっと笑った教授はそう言うと、書斎に向かった。



「……リョウ、たぶん読んでいた数の1.5倍はいるかもしれん。」

ミックは、教授についていこうとしたが、

ふと思い立ったように、撩に近づき耳打ちをした。

香は、その様子を訝しがったが、

全ての単語を聞き取れなかった。



「まっ、お前らなら2倍だろうと、3倍だろうと、問題ないだろうけどなっ!」

バシッと撩の背中の中心を叩いたミックは、

さっきのセリフより一回り大きな声を出した。

「ってーなーっ!」

「じゃあなっ!」

ミックは白い手袋をひらひらさせながら教授のいる書斎へ続いた。



「くっそ、あいつ遠慮なしに叩きやがって!」

背中をさすりながら機嫌の悪さをあらわにする撩。



「撩、そろそろだ。」

ファルコンが声をかける。

「ああ。」

「じゃあ、行ってくるわ。」

「あ、外まで一緒に行くわ。」

美樹が立ち上がった。



ランドクルーザーに乗り込む2人を玄関先まで送り出す。

エンジンをかける直前、助手席の撩に香が金属製の小物を手渡した。

「撩、何かあったら使って。教授が前に私にくれたものなの。

撩も使い方は知っているって言ってた。」

「あー、あの007に出てくるようなヤツだな。サンキュ、もらっとくよ。」

一見、ボールペンのように見える2本の物体を、

撩はジャケットの内ポットに差し込んだ。



「撩、行くぞ。」

「大人しく待ってろよ。」

撩は、本当はそのまま香を引き寄せて唇を味わいたかったが、

そこはぐっと押さえて、香のくせっ毛をかき回すだけにしておいた。

「もうっ!余計なことしてっ!」

香は顔を赤らめながら、乱れた髪を直そうと指を通す。



「出るぞ」

ファルコンの短いセリフと同時に、

グォンというエンジン音を残しながら、車体は勢いよく出発した。



「無事に、戻ってきて…。」



香は、無意識にそう呟く。

2人は、車が見えなくなるまで、そこにたたずんでいた。

「……香さん、中に入りましょうか。体が冷えるわよ。」

「ええ。」

「大丈夫よ。きっとさっさと終わっちゃうはずだから。ね。」

「うん。」

2人の戦士を送り出した香と美樹は、言葉少なげに病室へ戻って行った。


*****************************
(11)へつづく。





やっとお仕事にとりかかります。
美樹ちゃんは療養中はノンカフェインってことで〜。
ああ、もうすぐ10月になっちゃうよぉ〜。

【追記:もりゅ様ありがとうございます】
美樹ちゃんの嗜好飲料、今家族に人気がなくて
わたくしが一人でちびびち飲んでいる
レモングラスティーに変更させて頂きました〜。
こんなこったから管理栄養士の試験落ちるんだわ〜。
もりゅ様ご指摘感謝です!
まだまだこんな感じのボロがあるかと思いますので、
拾えた方ご遠慮なく通報をばと…。
ちなみに、単品種名の明らかなお茶のパッケージが欲しくて
飲んでいる各種ティーシリーズ。
種類ばかり増えてなかなか減りません。
2013.03.11.

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5周年記念に
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シティーハンターに
再燃しハマってしまいました。


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ホトトギスの英名。
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